応量器と箱膳の組み合わせ

2020年6月22日2019年応量器, 箱膳

今週の動向

相変わらず管理人は、引っ越しの準備に明け暮れています。東北や関東の神社仏閣の取材にしても、関西に引っ越すと行き難くなるから急いでこなしている訳です。なので、これもまた引っ越し準備の一環なのであって、決して遊び呆けている訳では無いのですきっと。

それはそうと、ようやく会社員時代の書類を始末し終わりました。勤めていた会社のコンプライアンス・マニュアルなんて、二度と読まないから捨てるしかない訳ですが、社外秘とか自分の名前や社員番号が打ってある所を破って捨てたり、自宅のシュレッダーにかけたりするのは、本当に面倒でした。

あと、バイク野郎だった頃に買った大型のシートバッグがあるのですが、これは旅の思い出の品でもあったので、捨てずに防災用品の入れ物にしていたんですよ。でも、もう20年も前のシロモノになりますし、ミニマリズムとの相性も良くないので、思い切って捨てる事にしました。

 

粗大ゴミとして捨てるべく、役所に相談に行った所、バイク用品店に引き取ってもらうしかないと言われてしまいました。食器の類いも一度使ったものは引き取って貰えない所が多いし、買う時はいいけど、捨てる時の事を考えると、基本、何も買わない方が良くなってしまいますねー。

ただ、単に物を持たないようにする事をミニマリズムという訳ではありません。飽くまでも必要最小限の物を持つというだけであって、その最小単位も人によって違います。事の本質は時短や注力にある訳で、物が少ない所為で不便になり、余計に手間が掛かるようになるのは本末転倒である訳です。

仏教の修行僧は、俗世間の欲望を断ち切る為に、極端に私物が少なくしています。それは飽くまでも修行の為であって、時短や注力の為ではありません。故に、完全に禅僧の真似をする事は、必ずしも豊かな生活を意味しません。

 

禅寺で修行中の雲水は、重ね碗の応量器を用いて、テーブルも卓袱台も使わずに食事をします。私もその真似をして、地面に宝来碗を置いて食事をしていた時期があります。慣れてしまえば、これはこれでありなのですが、正直「もうちょっと高さがあれば食べやすいのに」と思う部分もありました。

最初は宝来鉢の下に手拭いを敷いていましたが、やはりお粥や汁物などをこぼす事もある訳です。修行が足らないと言われればそれまでですが、段々とこう、手拭いの染みが増えてくると、これはマズいなと考えるようになってきました。

それで手拭いをお盆に変えたのですが、これだと食器を置く範囲が狭くて、宝来鉢が二枚しか収まらないんですよ。鉢という名がついてはいるものの、宝来鉢は実質的に皿に近いデザインなので、おさまりが悪いのは仕方ありません。

そう考えると、やはりサイズ的にもコンパクトな応量器が欲しくなってくる訳ですが、修行僧らが使っている本物の応量器は一般市場に出回っていませんし、職人が作った本物の漆器は高額なので、購入するには覚悟が要ります。

 

それなりに時間を掛けて、入手し易く、それでいて応量器の代役が務まる食器を探しましたが、あまり良い物は見つかりませんでした。キャンプ用品のアルミ製コッヘルや、丸形飯盒に光明を見出した時期もありましたが、長く使っていると次第に味気なく思うようになってきます。

陶器や漆器は非常に良く出来ていて、ちゃんと意味があって今の形になったんだなーと実感させられました。中でも漆器の持つ力というのは凄いもので、流石に縄文時代から9000年の歴史を持つだけはあると思いました。もちろん陶器も良いものですけど、重いし、ちょっとした事で割れますからね・・・。

神社仏閣巡りの旅をしながら、各地の漆器や重ね椀を探し回りましたが、残念ながらこれと言ったものは見つかりませんでした。でも、ネットで探していた時に「これならば」と思える物を見つけました。それが「いけだ和食器」様の応量器ならぬ「応用器」です。漆器の六枚組(6客)入れ子碗ですが、禅僧が使う物より安価です。


 


応用器とほぼ同時期に、箱膳なるものものがあると知りました。これは卓袱台が普及する昭和の前半まで、農家や商家で使われていた箱形のお膳で、1人分の食器を収納する機能を持っています。昔の日本家屋は、囲炉裏を中心として、それを囲む形で生活するようになっていた為に、テーブルの類いは発展しなかったんですね。


 

箱膳を使う時は、蓋の部分をひっくり返します。蓋はお盆としても使えます。また、上記リンクの箱膳は漆器なので高級感がありますし、塗り直しをすれば永く使えます。サイズも31.5cm×31.5cm×高さ18cmと大きめなので、収納力も高いです。また、隅切(すみきり)の仕立てなので角が尖っておらず、安心して使えます。

箱膳には、四枚組の宝来鉢が三枚スッポリと収まります。宝来鉢の一番大きな皿は幅20cm、一番小さい皿は、二番目に小さい皿の下に敷いています。普段はこれで食事をしていますが、全く不自由さは感じません。また、晩酌の際に箱膳をサイドテーブルとして使うと、とても雰囲気が出ます。

家族全員でテーブルやちゃぶ台を囲む食卓も良いものですが、各自の箱膳を持ち寄る食卓もまた良いものです。箱膳は箱膳に重ねる事が出来るので、大きな食器棚を買う必要が無くなります。テーブルと食器棚は場所を取るので、それらが必要なくなれば部屋のスペースにかなりの余裕が生まれます。

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漆器は塗り直しが出来る為、新たに物を買う必要が無くなります。また、漆器はエコの観点からしても優れており、世界中で加速している脱プラスチックの流れに乗る形にもなります。応用器と箱膳の組み合わせは、我々のミニマリズムな隠遁生活を彩りを添え、より豊かなものにしてくれますよ。

 

2020年6月22日2019年応量器, 箱膳

Posted by 清濁 思龍