岩国トロッコ問題について

2019年哲学

今週の動向

今週は、何故か考える事が多かったです。先月(2019年9月)、山口県岩国市の小中学校で「トロッコ問題」の授業の授業をしたら、何故か学校側が謝罪に追い込まれたという事件がありました。保護者から「授業で不安を感じている」との指摘があったから謝罪したとの事ですが、正直「は?」としか言葉が出て来ません。

線路を走っていたトロッコの制御が不能になった。このままでは前方で作業中だった5人が猛スピードのトロッコに避ける間もなく轢き殺されてしまう。

この時たまたまA氏は線路の分岐器のすぐ側にいた。A氏がトロッコの進路を切り替えれば5人は確実に助かる。しかしその別路線でもB氏が1人で作業しており、5人の代わりにB氏がトロッコに轢かれて確実に死ぬ。A氏はトロッコを別路線に引き込むべきか?

なお、A氏は上述の手段以外では助けることができないものとする。また法的な責任は問われず、道徳的な見解だけが問題にされている。あなたは道徳的に見て「許される」か、「許されない」かで答えるものとする。

Wikipedia「トロッコ問題」

 

以上がトロッコ問題(トロリー問題)の概要で、要は「5人を助ける為に、他の1人を殺してもよいか」という思考実験です。因みに、この実験の調査結果では「手を出さずに見殺しにする」という答えが一番多いとの事です。触らぬ神に祟り無しで、関わらないのが正解と言う事ですかね。問われているのは「許される」か「許されない」か、なのですけど・・・。

岩国市の保護者は「出題者が許されない」という、全く新しい答えを出して来た訳ですが、流石にこの発想は無かったなぁと関心する部分もあったりして。人生において「あちらを立てれば、こちらが立たず」と言うような難しい選択を迫られるのは良くある事ですが、この保護者は人生において、全ての問題を無かった事にしてきたとしか思えません。ある意味、スゲー生き方ですな。

謝罪させる方に問題があるとは思いますが、謝罪する学校側もどうかしてます。まあ「とりあえず謝っとけ」みたいな感覚だったのかも知れませんがね。だとしたら、クレーマーのイチャモンに平謝りする会社員の構図と、何も変わりません。私も会社員をやってた頃、上司に言われましたよ。客には絶対に勝てないから、決して怒らせるな、言い返すな、とりあえず謝っとけってね。

 

クレーマーの相手をしていた時に、コイツらは全員、正義や、公平さ、優しさ、思いやりといった「徳目」への認識が歪(いびつ)だと思いました。つまり、どいつもこいつも「それを推し進めたらどうなるのか?」という先の事を考えず、徳目によって他者を圧倒し、マウントを取る事しか考えられない、幼稚で短絡的な人達ばかりだったのです。

世間で言われているように、クレーマーは承認欲求が強く、欲求不満のヒステリックな精神状態にあります。火に油を注ぐような真似をしても何も解決しませんから、言い返さず、怒らせないという対処方にも、それなりの理がある事は認めざるを得ません。

私がよくやったのは、最初は「ええ、全くその通り。お客様は分かってらっしゃる。私も常々そう思っていたんです。いやはや、全くけしからん!」と同調しておいて、最後に「でも、これはこういう可能性もありますよね?」と提案するという方法です。体にお絵かきなさってる方は別ですが、この方法はクレーマー対策としては、とても有効でした。

 

人を言い負かして利を得ようと考えるヤクザ者と、自分は正しいと思いたがっているクレーマーは、求めるものが違います。クレーマーは「徳目」への認識が歪(いびつ)ではあるものの、徳目そのものは捨てていないので、新たな可能性を提示すると意外なほど素直に受け止めます。

その提案がクレーマーの価値観や人間性を否定するものだったり、遠回しな叱責だったり、事実上の敗北を意味していると、人が変わったようにキレてしまいます。なので、間違っても「クレーマーも根は善良だ」などとは言えません。結局、邪悪さの正体は、狭い視野と、幼稚なエゴイズムですからね。

では何故、クレーマーは幼稚なのかと言う話ですが、それは身近に間違いを正してくれるような人が居なかったからだと思います。幼い頃の早い段階で、厳格な父親からゲンコツを喰らったり、心正しきガキ大将や、夕焼け番長のパンチを喰らって身の程を知っていれば、連中もクレーマーなんぞに成り下がらなくて済んだかも知れません。

 

人間は間違うものですし、その間違いを正す事で成長するものです。トロッコ問題のような思考実験は、本来なら自己の考えの至らなさに気づいたり、成長の切っ掛けになる筈です。しかし、決定的な敗北を経験して身の程を知るまで、自らの間違いを正す事が出来ない人も居るんですよ。

今の社会は、平等や平和という言葉を絶対視するあまり、思考停止に陥っている人が多過ぎます。そういう人は「残酷だから」という単純な理由で、権力を以てありとあらゆる不平等や闘争を排除したり、事実関係を無視した無条件降伏の勧告をしてきます。世の中には、上下関係を含む必然的な不平等や、避けられない闘争もあるというのにね。

平等や平和という「錦の御旗」を掲げる人にこそ、トロッコ問題のような思考実験が必要だと思います。善の道を志す者ほど、世の中の理不尽さや、答えの無い問題に挑まなければならないと思います。それらの問題に対して、数や権力を以て立ち向かう事は「許されない」としたら、彼らはどう振る舞うのでしょうか。まさか「手を出さずに見殺しにする」なんて事は無いですよね。

 

 

マナーとモラルと治安の低下

他にも、石垣島のラーメン店が「日本人客お断り」という張り紙を掲げて、大騒ぎになった事がありました。バイトテロや、澁谷ハロウィンでの乱痴気騒ぎそうですが、目に見える形で日本人のモラルや治安が低下していると思います。まだまだ国内にはマナーの良い人の方が多いですけど、明らかに教育がなされておらず、社会人としての基礎が無い人が増えていると実感しています。

今の日本には、ガキ大将や、夕焼け番長や、カミナリ父親が育つ土壌などありません。ロクに議論もせず、何でもかんでもハラスメント扱いするトンチンカンな人や、何も背負わず守るものが無い人の方が有利な世の中では、ダメなものはダメと叱る事さえリスクになります。

恐かったり痛かったりしないと何も分からない愚か者を放置した結果、自浄能力が失われて、心優しい人達を犠牲にする事でしか維持出来なくなった社会に、後世に残す価値はありません。罪を背負ってでも事を成そうとせず「手を出さずに見殺しにする」のが正解ならば、人は卑怯であるべきだと言う話になってしまいます。

 

リーマン時代に新入社員の教育をやらされた事があるのですが、その中に結構な「トンデモ社員」が居たんですよ。その新人は何を思ったか、年上の教育係である私を「君づけ」してきたので、激怒してお説教してやったんです。するとその新人は、いきなり机に突っ伏して、私が何を言っても動かなくなってしまいました。

しばらくして我を取り戻した新人に、やんわりとルールやマナーを教えましたが、その新人の口からお詫びの言葉が出る事はありませんでした。それ以降、その新人は私を避けるようになり、問題のあるバカ上司とつるんで、虎の威を借る狐のような振る舞いをするようになりました。その所為で職場の人間関係が崩壊してしまい、私を含む大勢の人達に多大な迷惑をかけてくれやがりました。

で、その新人はどうなったのかと言いますと、数年後、何事も無かったかのように管理職になりました。でも、自己顕示欲を満たす事しか考えていないような振る舞いが目立つ為、評判は最悪です。その新人も今はもう良い歳ですけど、未だに悪い奴とつるんで、笑いながら部下を傷つけていると聞きました。

 

既に退職済みの私ですが、今でもたまに「この問題児をどう指導すれば良かったのか?」と考える事があります。因みに、当時の私は自分の将来と引き換えに、新人とつるんでいた複数のバカ上司と差し違えましたが、この新人にまで手が回らず、仕留め損ねてしまいました。まあ、私自身の監督不行き届きの負い目もありましたがね・・・。

この選択が正しかったとは言いません。でも、当時の私にはああする事しか出来なかったし、今でも他の手段は思いつきません。この新人と仲良くなるには、差し違えたバカ上司共と同じ振る舞いをしなければならないでしょうし、それは結局、他の真面目な社員達を犠牲にする事になります。

この件では、精神的に壊れてしまった人や、間接的な死者まで出ています。生き残ったのは、保身に長けたクズばかり。でも、部長以上のお偉いさん方の隠蔽工作により、表沙汰にはなっていません。世の中には、闇から闇に葬られた事件がいっぱいあるんだろうなぁと思います。

 

 

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2019年哲学

Posted by 清濁 思龍