風飡水宿・その壱
ソロBBQのやり方
ソロBBQは、ガスバーナーを使った本格的な野外料理です。前述のアルスト・ハイキングよりも料理のレパートリーは豊富になりますが、その分だけギアは大きくなり、重さも増えます。
ソロBBQ用のギアは、ホットサンドメーカーと、ガスバーナーと、グランドシートの三つで、当サイトではそれらを「三種の神器」と呼称しています。
アルスト・ハイキングは、主に公園や、河川敷や、ハイキングコース等で行うものですが、ソロBBQはガス火OKの広場や、市町村の野外活動センターや、キャンプ場のデイキャンプという形で行います。
これは管理人がキャンプ場で、やや重装備のソロBBQをした時の動画です。テントの代わりに天幕(タープ)を張っていますが、天気が良ければ必ずしも必要なものではないので、参考までに。
イワタニ社のガスバーナー
三種の神器の一つ、アウトドア用のガスバーナーは種類が多いので、何を選べば良いのか分からないかも知れません。その場合は、イワタニ社の小型ガスバーナーを購入すれば間違いありません。適合するガスボンベは何処でも販売しているので、防災グッズとしても優秀です。
小型ガスバーナーは携帯性に優れていますが、野外で使用する際は風で熱が逃げるので風防が必須です。しかし、風防は高さが無いと使い物にならないし、高さがあればあったで嵩張って非常に邪魔になります。カセットコンロを持って行けば良い話ではありますが、見た目が良くありません。
それらの問題を解決してくれるのが、アウトドア用のカセットコンロ「タフまるくん」です。耐荷重は20㎏もあるので鉄製のダッチオーブンでも余裕です。たこ焼き鉄板などのカセットフー・アクセサリーシリーズなら使用OKなのも強みです。
専用ハードケース付きなので持ち運びに便利ですし、収納性も良いです。屋内・屋外を問わず、カセットコンロなら、これ一択です。
グランドシート
グランドシートとは、四隅にグロメット(ハトメ)と呼ばれる金具がついているシートの事で、応用の幅が広い事からキャンプや防災におけるマストアイテムの一つに数えられています。ソロBBQでは主に敷物として使いますが、使い方次第では雨風や日差しから身を守る天幕(タープ)にもなります。
キャンプでテントを張ると地面が含む水分で接地面が汚れたり、尖った石や何か傷つけてしまう事があるのですが、テントの下にグランドシートを敷けばそれらの問題は解決します。また、ソロBBQからソロキャンプに移行した後も使用できるシートを選べば、無駄がありません。
お勧めのグランドシートは、アメリカのNASAが開発したオールウェザー・ブランケットです。頑丈で遮光性と防水性が高く、裏面に蒸着されたアルミが熱や冷気を遮断するスグレモノです。また、アルミ面は光を反射するので、緊急時にSOS信号を発する事も出来ます。
地面にグランドシートを敷くだけだと、疲れて寝転んだ時に背中が痛くなったりします。なので、ホームセンターでも販売しているアウトドア用の折り畳み可能な「パタパタマット」も一緒に購入する事をお勧めします。
ただ、安物はクッション性が低いので、キャンプ用の寝具としては頼りないです。先の事を考えると、最初からサーマレスト(THERMAREST)社のマットレスを購入する方が余計なものを買わなくて済むので、結果的に安く上がります。
因みに、サーマレスト社はロール収納式のマットレスも販売していますが、巻きグセがあるので使いにくいそうです。管理人は折り畳み式のアルミ蒸着無しのZライト・シリーズを購入しましたが、ケチらないでアルミ蒸着有りのZライト・ソルを買えば良かったと後悔しています。
ホットサンドメーカー
ホットサンドメーカーはホットサンドを作る為のものですが、実質的に両面焼きの小型フライパンなので、肉を焼いたり、冷凍食品を料理をする事も出来ます。もちろん自宅でも普通に使えますし、アルミ製の物なら軽量で携帯性も優れています。
お勧めはイワタニ社の製品です。接続部分がシンプルな作りになっているので取り外しが簡単ですし、波面とフラット面に分かれているので料理によって使い分ける事が出来ます。
また、先述の「タフまるくん」のゴトクに嵌るように凹凸が作られているので、滑って料理をブチ撒ける事もありません。
ソロBBQのレシピ
シングル・ガスバーナーと、グランドシートと、ホットサンドメーカーの「三種の神器」を入手したら、ソロBBQで作る料理について考えてみましょう。
自宅での料理と野外での料理は勝手が違うので、最初はシンプルな料理から始めた方が良いです。野外での料理に慣れないうちから、手の込んだ料理を作ろうとすると大抵は失敗するので、手始めに自宅でホットサンドを作ってみましょう。
食パンにハムとチーズを挟んでコショウを振ってから焼いて食べるだけでも美味しいですし、ツナ缶を開けてマヨネーズをモリモリ乗せて粗びきコショウをパラパラ振ってから焼くのもオツなものです。
ホットサンドメーカーでの料理に慣れてきたら、ステーキを焼いてみるのも一興です。シングル・ガスバーナーを使えば良い練習になります。
発想の勝利と言いますか、こんな料理の仕方もあるのかと驚かされた動画です。
「エガちゃんねる」でも、ホットサンドメーカーで変わり種の料理を作っています。正直、あまり参考にならないメニューですが、ウケを狙うなら有りだと思います。
シングル・ガスバーナーと、グランドシートと、ホットサンドメーカーの「三種の神器」を入手し、作りたい野外料理のレシピが決まったら、近所でBBQが出来る広場か、河川敷を探してみましょう。
河川敷でBBQならOKという所は多いですし、防災公園にはBBQガーデンが併設されている所もあります。無料かつ、予約なしで利用できる場所が見つかれば最高です。
下の写真は、管理人が河川敷でソロBBQをした時に撮影したものです。オールウェザー・ブランケットをタープにして、地面にはホームセンターで購入した安物のパタパタマットを敷き、その上にマルチシーツを被せています。ソロBBQを楽しむなら、荷物は少ない方が楽ですよ。
近所にBBQが出来そうな場所が無い場合は、各市町村が管理運営している「野外活動センター」を利用してみましょう。野外活動センターは予約が必要な所が殆どですが、その代わり設備が充実しています。
炊事場には屋根があるので雨風の心配は不要ですし、中にはキャンプギア一式が揃えてあって、手ぶらで行けるような所も存在します。事前に連絡しておけば、職員からキャンプのノウハウを教わる事も出来ます。
下の動画は、管理人のキャンプ熱が再燃したばかりの頃に、某県の野外活動センターで撮影したものです。キャンプ自体は初めてでは無いのですが、この時まで料理は専(もっぱ)らガスバーナーで行っていたので、焚火はほぼ初心者です。
本格的なソロキャンプに向けて
アルスト・ハイキングやソロBBQは手軽に楽しめますが、本格的なキャンプはもっと楽しいです。冬に焚火で暖を取りながら満天の星空を眺める楽しさと、焚火で焼いた美味い肉と酒の組み合わせを知ってしまえば、もう後戻りは出来ません(笑)
しかし、本格的なキャンプは手軽とは言い難いものがあります。テントやタープを設営する為の知識はもちろん、自然を保護する為のルールやマナーも憶えなければならないし、火や刃物から身を守る為に必要なギアも揃えなければいけません。
他にも色々と必要なものがあるのですけど、それについては風飡水宿・その弐で説明させていただきます。