鬱病とソロキャンプ その2

2021年11月24日2021年発達障碍, 風飡水宿(キャンプ), 内観冥想(サイコダイビング)

今週の動向

茶柱さんを連れて、いつものキャンプ場に行きました。管理人もそろそろ「ミニマム系ソロキャンパー」と名乗れるくらいには仕上がってきた訳ですが、まだまだキャンプ・ギアの配置や組み合わせに課題が残っているので、年内にもう一回くらいはテント泊をしたいと思っています。

茶柱さんもまだ若干の不安は残るものの、ほぼソロでキャンプをする事が出来るようになってきました。ただ、人の少ない自然の中で焚き火や料理をするのは好きだけど、いつものキャンプ場は人が多いからテント泊だと周囲の音が気になって安眠出来ないと言っています。

そういう意味では和歌山の川湯キャンプ場の方が好きみたいですけど、クルマで山道を何時間も走行しないといけない場所なので、熊野信仰の勉強を兼ねても年に一度か二度行けるかどうかという感じです。やれやれ、何処かに近くて、安くて、予約不要で、人の少ないキャンプ場は無いものか・・・。

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茶柱さんにとってキャンプは自らの新しいスタイルであり、新しい趣味です。趣味を楽しめるようになったのは鬱病が回復に向かっているという証拠ですし、少しづつ活動のレベルを上げていけば寛解(かんかい)も夢ではありません。

日常生活でも料理、洗濯、掃除などの家事が出来るようになってきているのですが、それは「キャンプに役立つ」という新たな視点を持てたからです。要するに、茶柱さんにとって日々の家事は「キャンプの予行演習」であり、新たな娯楽である「おうちキャンプ」になったのです。

衣食住を楽しめるという事は、日常生活を楽しめるという事です。自分で選んだキャンプギアに囲まれて、大好きなギアを大事に使い、キチンと整理整頓する。当たり前過ぎるほど当たり前の事ですが、少し前まで茶柱さんは、この当たり前の事が出来なかったのですよ。

 

それがセルフケアが出来るようになったというだけでなく、セルフケアそのものやケア能力の向上を楽しめるようになったのは大変な進歩です。また、キャンプ場で見た先輩キャンパーのスタイルに刺激されて、自分なりのスタイルを確立したいという新たな願望も出て来たようです。

管理人としては、流石に茶柱さんがここまでキャンプにハマるとは思っていなかったのですが、まあ、結果オーライと言って良いでしょう。

しかし、たった一年かそこらでキャンプ経験がゼロの人がほぼ確実に焚火を熾せるようになり、雨風をものともせずに冬のテント泊を楽しめるようになり、難易度の高いタープまで張れるようになった訳ですから、改めて考えてみると凄い成長速度です。

 

 

認知行動療法について

茶柱さんは今週の某日に、就労支援センターで認知行動療法のカウンセリングを受けました。これは認知に注目したカウンセリングで、ものの考え方や、受け取り方、行動に対して働きかける事で気持ちを楽にしたり、ストレスを軽減するのが目的です。

鬱病の患者の苦悩は、不当なまでに低い自尊心と、自己否定的な世界観に由来するので、その認知の歪みを正せれば治癒の可能性も出て来ます。ただ、自尊心と世界観はそれまでの人生経験がそのまま出る部分なので、正すのはなかなかに骨が折れます。

茶柱さんは過去にも認知行動療法のカウンセリングを受けた事があるのですが、その時は鬱病の症状が酷くて自己や物事を俯瞰的に見るだけの余裕がなく、思考記録表の用紙を渡されて「来週までに書いてきてください」と言われても書けなかったそうです。

 

今はそれなりに回復してきているし、センターの人が丁寧に手順を教えてくれたのでキチンと記入する事が出来ましたが、過去の経験の所為で、未だに認知行動療法そのものに不信感を抱いています。

一応、茶柱さんが記入した思考記録表を見せてもらいましたが、認知行動療法の狙いは当サイトの「多面的観察」と大して変わらないと思いました。

認知行動療法では、ある出来事に出会った時に自動的に浮かんで来る考え方の事を「自動思考」と言うのですが、これは深層心理の働きそのものです。また、自動思考を裏付ける事実を「根拠」と言い、自動思考と矛盾する事実を「反証」と言います。

 

つまり、深層心理を構築する強固な思い込みを「根拠」と「反証」によって揺るがせて、物事の見方は一つでは無く、多面的に見る事が出来るものだと学習させ、現実に沿った柔軟な考え方を身につけさせようとする訳です。

深層心理は「言葉にする前の世界」であり「気分や感情の世界」なのですが、それを観察と言語化によって表層心理にまで引き上げれば、ある程度はコントロールする事が出来るようになります。

つまり、自尊心や世界観は絶対的なものではなく、飽くまでも主観であり、無数にある見方の一つに過ぎないという事を腑に落とせば、それまでとは全く違う自己イメージや世界観を構築する事が出来るのです。早い話、世界観のスクラップ&ビルドですね。

 

ここで問題になるのは、低い自尊心と、自己否定的な世界観にも、その根拠となる厄介な体験や経験があるという所です。これがいわゆる心理的外傷(トラウマ)というものです。

 

茶柱さんには周囲から酷い事をされ続け、散々イジメられてきたという被害感情があり、その心は悲しみと怒りと恨みに凝り固まっています。しかし、そういった負の感情を抱え込むのはとても辛く苦しい事なので、早く楽になりたくて常に感情のはけ口を求めています。

厄介なのは、茶柱さんの被害感情は、被害妄想では無いという所です。幼い頃から家庭環境はメチャクチャで、登校拒否から寮生活を経て大学を卒業し、その間も恋愛で傷つけられ、社会に出たら出たでハラスメントに苦しめられ、挙句の果てに伊勢菊理や、騒音加害者との不幸な出会いがありました。

これだけ間断無く不幸であれば誰だって生きているのがイヤになりますし、冥想や各種メソッドなどを継続して行うだけの心の余裕や気力を維持できなくなるのも当然です。むしろ、こんな状態で気力を振り絞ってしまえる人は、危なっかしいとさえ言えます。

 

茶柱さんは私の前で「世界に死ねと言われているのと同じだ!」と絶叫した事がありますが、私自身も似たような経験をしているので、そういう時に気休め的な優しい言葉をかけても心に響かない事は知っています。

もし、これらの不幸が全て被害妄想ならば、認知行動療法が功を奏する可能性もありますが、残念ながら妄想では無いので、ちょっと見方を変えるくらいでは何の救いにもなりません。こういう患者に対して精神科や心療内科は無力であり、精々、眠剤で強制的に休ませる事くらいしか出来ません。

私も茶柱さんと出会ったばかりの頃は、とにかく休ませるしかないと思いました。過去に投薬治療で副作用が出た事から、眠剤の服用を酷く嫌がりましたが、何とか説得して薬を飲ませました。そして無難な所から心を解きほぐし始めて、少しずつ問題の核心に近づいていきました。

 

そして「伊勢菊理と出会わなければ私との出会いも無いし、神社仏閣巡りやキャンプをする事も無かった。その場合は豊かな人生になったのか?」と考えるようになった頃からメンタルが安定し始めました。そして家族とは和解出来るし、した方が良いと判断したので、今はその方向で動いています。

また、茶柱さんは伊勢菊理関連で知り合った向令孝禅師に、本当の事を書いた手紙を送りました。すると励ましの手紙と共に、喝の一字が書かれた色紙が送られてきました。茶柱さんはこの書に感銘を受けて、向禅師のYOUTUBEを見るようになりました。

今の所、就労支援センターの職員や、他の利用者達とも上手く行っているようですし、センターでの学習も楽しめているようなので、少し光が見えて来た感じがします。

 

 

更新情報

当サイト流のソロキャンプ術、風飡水宿・その壱の記事をリライトしました。その弐を書くには、もうちょっと時間と経験が必要みたいです・・・。

風飡水宿・その壱