禅的ミニマリズム・食器編

2021年2月17日禅的ミニマリズム応量器, 粗食, 箱膳

 

割れない器を求めて

管理人は自他ともに認める食いしん坊です。ミニマリズムに目覚める前は、食器や調理器具に拘りまくって、かなりのお金を使っています。しかし、陶器やガラスの器は割れるのが困りものです。

お気に入りの皿とか、ぐい飲みとか、珍しい中国陶器の麺鉢を誤って割ってしまったり、地震で大切なガラス製品が全滅した時に受けたショックたるや・・・。

割れる事の無いアウトドア用のコッヘルや、プラスチックの器を使うようになった時期もありましたが、料理の見栄えや食器の口当たりが違い過ぎて、どうしても馴染めませんでした。

 

そんなある日、禅僧が「応量器」という入れ子椀型の食器を使っている事を知りました。何でも、応量器は禅僧が托鉢する時にも使う器で、大事な修行道具なのだとか。

応量器に浪漫を感じた私は、曹洞宗の大本山・永平寺が近くにある福井県の鯖江市にすっ飛んで行きました。鯖江は越前漆器の里であり、永平寺御用達の応量器を納入しているからです。

しかし、残念ながら修行中の禅僧(雲水と言う)が使っている本物の応量器は、一般には出回ってないみたいなんですよね・・・。

 

だとすると、市販されている応量器の中から一つ選ぶ事になります。応量器と言えば一生ものの食器ですから、付け焼刃とは言え、私なりに勉強をしました。

漆器もピンキリで、安価な品はカシュー塗装やウレタン塗装のものが多く、いくら長く使っても漆器独特の味わいは出ないそうです。

デザイン的には個人の漆器工房の製品の方が良い物が多いのですが、どれも3~5万円もする高額商品ばかりなので、購入の際にはある種の覚悟が必要です。

 

 

応量器ならぬ「応用器(おうようき)」

色々探し回った挙句、最終的に私が購入したのは、山中漆器様の「応用器(おうようき)」でした。この商品を選んだ理由は、価格の安さと、手に持った時の軽さです。最初は本物っぽい漆黒の応量器を買いたかったのですが、私は禅僧では無いので何処かで差別化したかったというのもあります。

実際に使ってみてどうだったかと言うと、これはもう満足の一言です。

応用器は応量器と同じ六客一組の入れ子椀で、作りもほぼ同じです。「頭鉢(ずはつ)」に相当する一番大きな鉢は、托鉢に使っても全く違和感がありません。応用器 頭鉢(ずはつ)

 

 

底の部分は、こうなっています。鉢自体が肉厚な作りになっているので、炊きたての御飯をよそっても熱くて持てないという事はありません。ただ、うどんなどを汁ごとよそうと、ちょっと熱くなりますね。箱膳 応量器 応用器

 

 

これは二番目の鉢です。主に味噌汁や碗物をよそいます。薄くて軽いので、使いやすいです。二枚目の鉢から底に高台がつきます。三枚目の器をひっくり返して乗せれば、椀物の蓋にする事も出来ます。箱膳 応量器 応用器 

 

 

一番小さいものは、鉢というより皿というべき形状になります。私はこれに一番大きい頭鉢を乗せています。そのように使う事で、熱い食べ物をよそった鉢の熱がテーブルに直接伝わらないようにする事が出来ます。

漆器のスベスベとした手触りは良いものですし、器に口をつけた時の感覚も柔らかいです。洗ってもすぐに乾きますし、値段の割には高級感もあります。何より、不注意から落としても割れたりしないのが良い所です。箱膳 応量器 応用器 

 

 

応量器と箱膳の組み合わせ

応用器を購入してから、どうすればこの器を最も活用できるのかを考えました。因みに、臨済宗では食事の際に横長のテーブルを使いますが、曹洞宗は布巾と漆を塗った紙を広げ、その上に応量器を置いて食事をするそうです。

禅僧は応量器以外の食器を持っていないので食器棚の類を必要としませんし、曹洞宗の僧侶に至ってはテーブルすら使いません。私もその真似をした事がありますが、正直、食べづらくて仕方が無いし、食べ物を落として布巾を汚すのもイヤでした。

試しに布巾をお盆に変えてみた事もありますが、これはこれで応用器が全部乗らないという問題が出てきてしまいました。

 

その後も色々と研究した結果、江戸時代から昭和初期まで一般家庭で使われていた「箱膳(はこぜん)」を使う事にしました。箱膳とはその名の通り箱状の御膳の事で、昔は箱膳の中に自分が使う食器を収納していたそうです。

箱膳があれば、やたらと場所を取るテーブルや食器棚が要らなくなるので部屋を広く使えますし、食べ残したご飯をそのまま箱膳の中に入れて保管する事も出来ます。

箱膳の蓋はお盆にもなるので、食後に食器をそのままキッチンに運ぶ事も出来ます。何でこんなに良い物が廃れてしまったのかが分からないくらい便利ですし、とにかくお洒落です。箱膳 隅切り 応用器 箸匙無し

 

 

漆器製の「寿司屋の湯飲み」

お茶などを飲む為のコップ類は、漆器製の「寿司屋の湯飲み」一つに絞りました。これも山中漆器様の商品ですが、ネットでは売っていないので、直接店舗に行って購入するか、別の商品で妥協するしかありません。

御存知の方も多いかと思いますが、江戸時代の寿司屋は屋台であり、寿司は素手でつまんで食べるものだったそうです。本当かどうか分かりませんが、寿司をつまんで汚れた指先を洗う為に湯飲みが大きくなったとか、寿司屋の暖簾(のれん)は洗った指先を拭く為のものだったと言う面白い説があります。

今どき湯飲みをフィンガーボウルのように使う事などありませんが、寿司屋の湯飲みは大容量なので、様々な使い方が出来るような気がします。漆器・寿司屋の湯飲み2

 

 

御覧のように、漆器の湯飲みは応量器+箱膳ともマッチします。これに畳マットと坐禅用の座蒲で生活するのが、禅的ミニマリズムのスタイルです。畳で箱膳と座蒲

 

 

箱膳の中に応用器と湯飲みを収納すると、こんな感じになります。まだまだスペースに余裕がありますね。
箱膳 収納

 

 

これはいつもの朝食メニューです。粗食ながらも雰囲気があり、満足度が高い食事です。また、漆器の器を使い始めると、陶器の器がやたら重く、冷たく感じるようになりますよ。箱膳 応量器 応用器 胡麻塩 マザーソルト

 

 

晩酌の一例です。かまぼこの板わさを日本酒でキュッとやるだけの写真ですが、不思議と箱膳と応用器を使うだけで高級感が出て来ます。

 

 

応用器はAmazon様でのみ取り扱っています。受注生産なので、商品が到着するまで約2ヶ月ほどかかります。

 

 

市販されている箱膳にも何種類かありますが、私のお勧めは角に足をぶつけても怪我をし難い、隅切りの箱膳です。

2021年2月17日禅的ミニマリズム応量器, 粗食, 箱膳

Posted by 清濁 思龍