坐禅と丹田呼吸法

2021年9月16日各種メソッド

調身

坐禅をする際は、姿勢を整える為の座具が必要不可欠なので、曹洞宗用の座蒲(ざふ)か、臨済宗用の単布団(たんぶとん)、もしくは代用となる物を用意してください。座蒲はビロード(別珍)布地で中身はパンヤ(カポック種の天然綿)、サイズは一尺(約30cm)の物が良いそうです。


 

 

曹洞宗の二大本山である永平寺(福井県)や總持寺(横浜市鶴見)の売店でも座蒲を販売しているので、実物の触感を確かめてから購入しましょう。下の写真は永平寺の売店で、ここでは一尺のビロード座蒲を安値で販売しています。

 

 

こちらは總持寺の写真です。品揃えは永平寺の方が充実していました。残念ながら石川県の總持寺祖院や、東京の永平寺別院・長谷寺(ちょうこくじ)では座蒲を販売していません。

 

 

これは永平寺で購入した一尺ビロード座蒲です。色は茶色で値段は5200円でしたが、坐り心地は問題ありません。使用後は自重で潰れて平べったくなりますので、横の部分を押して丸く形を整えます。親指だけで押すのが正式な作法のようです。

 

 

臨済宗で用いる単布団(たんぶとん)は、楽天様で取り扱っているこの商品のみネットで購入可能です。曹洞宗の座蒲よりも坐禅中の安定性が高く、ヨガマットの代わりにもなるので、坐禅の前後にヨガをする事も出来ます。

フローリングの部屋でも短時間の昼寝くらいなら出来ますし、アウトドアのお供として車中泊やテント泊でエアマット代わりに使う事も可能です。因みに、臨済宗の雲水達は、かしわ布団と呼ばれる一枚の布団で寝起きします。残念ながら、かしわ布団は一般販売していないようです。


ツムギ (紺) 臨済宗 ・ 座禅座布団 3枚セット (単布団)
 


ツムギ (黒) 臨済宗 ・ 座禅座布団 3枚セット (単布団)
 

 

 

因みに管理人は単布団を愛好しており、日常生活に取り入れたり、車中泊旅行の際にも使用しております。少々マニアックな記事かも知れませんが、よろしければ御一読ください。

禅的ミニマリズム・座具編

 

 

代用品の座具を自作する場合は、ホームセンターなどで販売している高さ10cm前後の足踏み台をベースにすると具合が良いです。足踏み台の上にホームセンターで売っている「ぴたパネル」を乗せれば、座り心地が硬めの座具になります。

他にも、普通の座布団を二枚重ねて、上の一枚を二つ折りにして段差を作るという方法もあります。

 

 

座具の類を準備したら、ゆったりとした服装に着替えて、心落ち着く静かな場所で坐禅をしましょう。床が畳ならそのまま、フローリングなら普通の座布団などを用意してください。燃焼時間が四十分くらいの線香かインセンスを用意出来れば、なお良しです。

全ての準備が整ったら、座蒲などの上に胡座(あぐら)で座ります。そして右足を左足の腿の付け根に乗せて、左足を右足の腿の付け根に乗せます。この坐り方を結跏趺坐と言います。

結跏趺坐には二種類あり、左足が上になるのは降魔坐という修行者の座法で、右足が上になるのは吉祥坐という如来の座法です。坐禅をする時は、なるべく降魔坐で座るようにしてください。下の「釈迦苦行像」は、吉祥坐の見本です。

 

 

結跏趺坐で座れない場合は、片足だけを乗せる半跏趺坐で座りましょう。この場合も左足が上になります。半跏趺坐で座れない場合は、座具を自作して座高を調整するか、胡座(あぐら)か正座で座ってください。膝が悪い人は椅子坐禅という方法もあります。

坐り方が決まったら、足の上に右手の平を上に向けて乗せて、その上に左手の甲を乗せ、両手の親指の腹がつくかつかないかのギリギリまで近づて「摩尼宝珠(まにほうじゅ・如意宝珠とも)」を形作ります。摩尼宝珠とは、社寺の橋の欄干などで見られるものです。

組んだ手は臍下丹田の前に置き、上半身の力を抜いて手首を伸ばします。肘は体から少しだけ離し、親指の先を軽く合わせます。この手の形(印契・いんげい)を「法界定印(ほっかいじょういん)」と言います。

 

 

手足の形が決まったら、身体を前後左右に揺すってバランスを取ります。顔は正面、目は半眼にして一メートルほど先に視点を置き、全体をぼんやりと見ます(八方目・はっぽうもく)。上半身は自然に伸ばし、アゴを引きます。舌は上顎に軽くつけ、歯は軽く噛み合わせ、口腔内に空間が出来ないようにします。

そして「仙骨」と呼ばれている脊椎と腸骨(腰骨)を繋ぐ部位の骨を前方に倒して、腰を反らせます。その際、胸まで反らさないように注意してください。立っている時の自然な背骨の湾曲を思い出して、頭部の重量を仙骨で支えるようにすると上手く行きます。猫背では坐禅になりません。

結跏趺坐で姿勢が正しく決まると、仙骨と両膝の三ヶ所で体を支える形になり、とても安定します。他の坐法だとこうはならず、少々不安定になるので注意してください。

 

 

拙い写真&モデルがオッサンで申し訳ないのですが、坐禅中の姿勢を上から撮影してみました。左はただ背筋を伸ばしただけの姿勢ですが、右は丹田をキメています。仙骨を反らして坐っているので、頭部の位置が違います。

肩は後ろに下げぎみにして胸を開きます。その際、肩と腕に力が入らないようにする事と、背筋をのけ反らせたり猫背にならないよう気を付けます。頭頂部に何かを乗せている状態をイメージすると、上手く坐れます。

 

 

臍下丹田に力を入れようとして、腹圧だけをかけ過ぎると胃下垂になりますし、吸気を臍下丹田に落とす角度がズレても同様の症状が出ます。吸気を真下に落とす事と、真下に落とした吸気を腸骨(腰骨)の中心で受け止める事を意識してください。

また、顔の筋肉や喉が緊張していると、何故か臍下丹田に力が入らなくなりますし、仙骨を倒そうとし過ぎると胸が反り、それを警戒し過ぎると猫背になります。上体は地面に対して垂直で、絶対柔軟が基本です。

膝、仙骨、丹田でZ型の土台を作り、そこに上体を乗せて、尻で全体を支えるようにすると上手く行きます。

 

 

調息

坐禅中の呼吸は、基本的に腹式呼吸で行います。ゆっくりと臍下丹田で息を吸うかのように下腹部を膨らませ、ゆっくりと「蒸すように」息を吐き切りながら下腹部をへこませます。

吸気で下腹部をへこませて呼気で下腹部を膨らませる逆腹式呼吸という呼吸法や、呼気吸気の両方で臍下丹田に圧をかけ続ける持続腹圧呼吸という呼吸法もあります。どちらも腹式呼吸と比べると不自然な呼吸法なので、内臓に余計な圧力をかけないように気を付けながら実践してください。

また、吸気の際に肋骨を横に広げる胸式呼吸(動物呼吸)もあります。これを逆腹式呼吸の吸気や、持続腹圧呼吸の際に行うと腹圧をかけ易くなります。

 

 

調心

調心とは、雑念を払い、心の乱れを調える事を言います。しかし、正しい姿勢で臍下丹田に圧を加えれば、自ずと身心と呼吸が整うものです。仏教古来の数息観を試みても良いのですが、臍下丹田に圧を加えながら数息観を行おうとすると、どちらも上手く行かなくなるものです。

いきなり無我の境地を求めるのではなく、まずはしっかりと臍下丹田に圧がかかる姿勢や、何処にも息がつかえず、力まず、楽に呼吸の出来る姿勢を求めて、ゆったりと、全てを解きほぐす気持ちで座りましょう。

 

 

曹洞禅の動画

文章と写真だけではピンと来ないと思うので、曹洞宗の坐禅のやり方を説明しているYOUTUBEの動画を貼っておきます。

 

 

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Posted by 清濁 思龍