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坐禅と座蒲

2024年3月26日坐禅のススメ坐禅のススメ

座蒲(ざふ)の歴史

仏教史上最古の座具は「尼師壇(にしだん)」と言う長方形の布で、僧侶が私有する事を許された比丘六物(びくろくもつ)の一つに数えられています。

古代よりインドでヨーガを伝えてきたサドゥー達も、敷物の上でヨーガを行じる事が多いようです。恐らく、尼師壇はそれに倣ったのでしょう。

南伝・上座部仏教の僧侶達は、今でも尼師壇を使っているようですが、中国や日本では礼拝の際にしか使われなくなりました。これは中国仏教における尼師壇の用法を説明している貴重な動画です。

 

 

釈迦世尊の没後、28代目に当たるペルシャ生まれのインド人である達磨大師が中国で禅宗を開き、日本に伝わります。初期の中国禅宗では、蒲(がま)の葉を円く編んだものを蒲団(ふとん)と呼び、これを坐禅の時に用いていたようです。

下の写真は、中国禅を今に伝える黄檗宗・萬福寺で撮影した円座(えんざ)です。恐らく当時の蒲団は、これに近いものだったのではないでしょうか。

 

 

日本に禅が伝わると、坐禅用の道具である蒲団と、寝具の布団(ふとん)や敷物の座布団(ざぶとん)との混同が起きました。その為かどうかは分かりませんが、曹洞宗では蒲団を座蒲(ざふ)と呼んでいます。

禅寺で使用している座蒲は綿100%の製品がメインですが、自宅で使うならお尻が滑らないビロード(別珍)布地、中身は硬さが丁度良いパンヤ(カポック種の天然綿)、サイズは大きめの一尺(約30cm)の製品を選ぶと良いです。

使用後は自重で潰れて平べったくなりますので、横の部分を押して丸く形を整えます。親指だけで押すのが正式な作法と聞きました。

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Posted by 清濁 思龍