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禅的ミニマリズム・漆器編 その4

2022年6月23日禅的ミニマリズム

重箱と物相飯(もっそうめし)

伝統的な漆器製の弁当箱と言えば、やはり重箱(じゅうばこ)です。御存知のように、重箱はおせち料理やお花見などの「ハレの日」に欠かせない道具であり、季節感のある伝統的な行楽のお供です。

漆器の重箱は保湿性が高いので、御飯が冷めても硬くなりにくいというメリットがありますし、急な来客があっても物相飯(もっそうめし)というワンプレートのスタイルでお出しする事が出来ます。

因みに物相飯とは、禅宗の僧堂で提供されていた一膳盛り切り型の精進料理の事を言います。それが茶懐石に取り入れられて、型抜きした御飯を盛り付ける事や、御飯用の型抜き自体を物相(もっそう)と呼ぶようになりました。写真はサツマイモと押し麦の物相飯です。

 

 

禅ではなく茶道の話になりますが、昔は懐石料理で焼物料理を出す時に、引重(ひきじゅう)と呼ばれる二段の重箱を使っていました。上の重に香の物、下の重には焼物を盛り付けて、みんなで取り分けたりしたそうです。

それに倣って、私の家では料理が箱膳+応量器のセットに収まりきらない場合は、サブの器として重箱を使っています。

重箱に焼き魚や刺身を盛り付けたり、仕切りを使って総菜を取り分けたりするのですが、これはこれで見栄えがします。

 

 

信玄弁当でお雑煮をよそい、重箱にお節料理を詰めてみました。高価な木材くり抜きの重箱と違って、木組みの重箱は汁の多い料理を苦手としています。

 

 

重箱は食器のみならず、お菓子入れにもなりますし、高級感のある和風の小物入れとして使う事も出来ます。因みに、私はメガネなどの小物を一時的に置く為の場所として、重箱を使う事があります。

 

 

私も愛用しているこの重箱は、三段とも取り外し可能な十字型の仕切りがついています。色は派手過ぎず、高さも隅切りの箱膳とマッチしています。もちろん本物の漆器ですし、お値段も控えめです。

 

良い品だけを選んで購入し、それを日用品として大事に使うのは時代の流れです。また、本当に良い物には色々な使い道があるものですし、一時的に廃れたとしても必ず復活します。どうせ購入するなら、そういった本物に的を絞った方が良いと思います。

 

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2022年6月23日禅的ミニマリズム

Posted by 清濁 思龍