禅的ミニマリズム・料理編

2021年7月18日禅的ミニマリズム粗食, 塩活, 風飡水宿(キャンプ)

粗食を愉しむ

良い食事は体力の源であり、健康の秘訣です。日々の食事を大切にしないという事は、自分の体や命を大切にしていていないという事です。自分の体や命を大切にしていていない人が、日々の生活を楽しんだり、有意義な人生を送る事など出来る筈もありません。

もし今の生活が乱れていると感じていたり、日々の生活を楽しんだり、有意義な人生を送れていないと思うなら、まずは食生活から見直してみましょう。衣食住は生活の基本であり、食は基本中の基本です。

しかし、高級食材や手の込んだ料理の数々が、必ずしも心身を満たしてくれるとは限りません。何故なら、豊かな食事と、贅沢な食事は、必ずしもイコールではないからです。そして、キチンと必須栄養素を摂取出来て、味の面でも問題が無かったとしても、必ずしも豊かな食事になるとは限りません。

 

例えば、食事をするのが面倒だと思いながら嫌々食べている時や、食事とは全然関係ない悩みや心配などに気を取られている時、好きになれない人達と会食せざるを得ない時などは、大好物や高級料理が提供されても食事を楽しめなくなる筈です。

つまり、日々の食事や料理は、手軽で楽しく無いといけないという事です。毎食のメニューに頭を悩ませたり、美味に拘り過ぎたりするとストレスから料理嫌いになったり、知ったかぶりの半可通(はんかつう)になったりと良い事がありません。

普段は近所のスーパーマーケットで食材を購入すれば良いですし、調味料もそれほど多くは必要ありません。砂糖・塩・酢・醤油・味噌の「さしすせそ」とスパイスを数種類、それにゴマ油とオリーブオイルがあれば充分に美味しい料理を作る事が出来ます。

 

個人的には、普段はシンプルな料理で倹約して、たまに美味しいものが食べたくなったら外食して店を開拓するくらいが丁度良いと思っています。何故なら、大人になると馴染みの店の一つや二つは持っていないと、格好がつかなくなってくるからです。

自宅でホームパーティーをするより馴染みの店を利用する方が安上がりですし、来客による騒音などの各種トラブルも発生し難くなります。

プロ並みの料理の腕を披露したいだけなら話は別ですが、いくら才能があっても料理を本業にしているプロには絶対に敵いません。また、普段のシンプルな料理でも人をもてなす事は出来るのですから、どうせ腕前を発揮するなら、その方向で頑張るべきだと思います。

 

 

修行者達の食事

仏教の僧侶は戒律により、午後に食事(固形物)を摂りません。海外の上座部仏教の僧侶は戒律をキチンと守るので、自炊を一切せず、全ての食を托鉢で賄い、施された食べ物なら肉でも何でも普通に食べます。

中国大陸経由の北伝・大乗仏教も、午後からは食事を摂らない事になっています。ただ、上座部仏教の僧侶とは違って作務(さむ)がありますし、厳格なベジタリアンでもあるので、夕飯を食べないと体がもちません。なので夕飯を薬石(やくせき)と言い換えて、薬として摂取しています。

ヒンドゥー教やバラモン教の僧侶も、殆どがベジタリアンです。一般的に上位カーストの人ほど食事に関する戒律に厳しいと言います。因みに、出家修行者であるサドゥー(ヨーガ行者)は、主に全粒粉のパンとミルク入りの紅茶や、米と野菜と豆を適当に煮た粥(キチュリー)を食べています。

 

しかし、修行者達の粗末に過ぎる食事では、健康を維持するのは難しいと言わざるを得ません。長く修行生活を送る内に体が粗食に慣れてくると言われていますが、曹洞宗・永平寺で修行をし始めたばかりの禅僧は、栄養不足で脚気を患ったりするそうです。

また、ボクサーの辰吉丈一郎氏は、減量の為に食事は一日一回、それも極少量という生活を長年続けていたと聞いています。それでも戦う為の肉体を維持出来るのだから、人体とは凄いものです。

ダイエットにおけるリバウンドのように、いきなり食事量を減らすと体を壊しますが、ゆっくりと時間をかけて体を粗食に馴らしていけば、厳しい食糧事情に体が適応してくれます。その過程もまた、修行と言えるのかも知れません。

 

 

食事の基本は一汁一菜

少し前まで「一日30品目を食べよう」と言う運動がありました。これは1985年に厚生労働省が言い始めたものですが、2000年頃には生活指針から外されています。これを真に受けて、毎食献立で苦しむ人が続出したという笑えない話があります。

でも、食事の度に必須栄養素を全種体内に流し込まなくても、そう簡単には病気になりません。逆に病気になる時は、何を食べていてもなるものです。因みに、管理人は中国家庭の「週単位で必須栄養素を摂る」という考え方が好きで、長年それを実践していますが、健康には何ら問題ありません。

先に紹介した修行者達の食生活から学ぶ事はあっても、そのまま真似をするのは難しいものがあります。しかし、少し前まで日本人の食事は一汁一菜が基本だった訳ですし、栄養バランスさえしっかり考えればシンプルな食事を楽しむ事も出来る筈です。

 

炊き立ての御飯と、具沢山の味噌汁、そして漬物の組み合わせは、日本人なら食べ飽きるという事がありません。少々地味な組み合わせなのは否めませんが、その代わり、食材の持ち味を活かしたり、四季の変化を取り入れて旬を楽しむには、むしろ都合が良いと言えます。

自宅でぬか漬けや浅漬けを作ったり、漬物の代わりに作り置きのおかずを食べたり、時には一汁一菜に拘らず、麺類や水団(すいとん)などの鍋料理を作るのも良いでしょう。

基本的に味噌汁には何を入れても良いので、闇鍋よろしく余り物を全部入れてみるのも面白いです。それも意外と美味しくなったり、逆に「何でこの組み合わせでマズくなるんだ?!」と思うものが出来たりする事もあります。とにかく、料理は楽しまなければ損ですよ。

 

 

お勧めの調理器具

一汁一菜の粗食を愉しむなら、御飯の炊き方だけは妥協してはいけません。安い炊飯ジャーで炊いた御飯は美味しくないですし、萬古焼などの土鍋で炊いた御飯は美味しいけれど割れ易いという欠点があります。

個人的には、アルミ製のガス釜をお勧めしたいと思います。何故なら、今まで私が炊いた御飯の中ではアルミ製の羽釜で炊いた御飯が一番美味しかったからです。それに極めて頑丈なので、普通に使っていたらまず壊れません。

私はキャンプ用の飯盒(はんごう)だけで一切の煮炊きを行っていた事もあるのですが、どう頑張っても土鍋や羽釜より美味しくならない、絶対に敵わないと言うのが結論でした。理由は色々考えられますが、恐らくはアルミの厚さの問題と思われます。

 

 

しかし、他の調理器具については、割とキャンプ用の道具(ギア)でも大丈夫だと思います。人気のダッチオーブンなら御飯も炊けるので良いとは思うのですが、とにかく重量があり過ぎて扱い辛いですし、洗剤でガシガシ洗うのは良くないという話もあります。

飯盒や他のクッカー類は、キャンプで使うには良いけれど、正直、日常生活では使い難いです。しかし、DUG社の焚火缶ならシンプルなデザインなので自宅でも普通に使えます。実際、私の家では焚火缶で味噌汁やスープの類を作りますし、料理が余ったら蓋をしてそのまま冷蔵庫に入れたりします。

アルミ製なので変形し易いという欠点があるものの、軽量で扱い易いという長所もあります。独り暮らしならS/Mのセットだけで十分ですが、うどんやパスタを茹でる人ならS/M/Lの三点セットを購入すると良いでしょう。蓋はフライパンとしても使えます。

 


 

 

調理用のまな板は、ケヴンハウン製のスクエア・カッティングボード&ランチトレイをお勧めします。その名の通り、表側は木製トレー、裏側をまな板として使います。これがあれば料理用の皿を購入する必要がありません。もちろんキャンプ場でも大活躍です。

 

 

お勧めの調味料

一汁一菜の食事を愉しみたいなら、塩と味噌と醤油に拘りましょう。塩はにがり成分の多い自然塩、それも天日塩がお勧めです。駅ビル付近のデパートに行くと、ゲランデの塩や、海の精と言った天日塩を販売しています。少々お高いのが欠点ですが、これらの塩を使うと料理の格がワンランク上がります。

 

 

ゲランドの塩は粒の粗いものの方がお安く手に入りますし、スパイス用のミルで挽けば粒を細かくする事も出来ます。

 

 

塩についての詳しい話は下記リンク先の記事で説明していますので、よろしければ御覧ください。

ミニマリズムと塩の話 その1

 

 

味噌の味には好みがあるので、どれが良いとは言えませんが、個人的には愛知県周辺で生産されている豆味噌(赤だし)が好きで良く使っています。風味が中華料理のテンメンジャンに近いので、代わりに使う事も出来るのが良い所です。

豆味噌は八丁味噌とも言いますが、これは愛知県岡崎市八帖町(旧八丁村)で生産された豆味噌だけに許されたブランド的な呼び名です。現在はカクキューとまるやの二社だけが八丁味噌を生産していて、他の製品は豆味噌と呼称する事になっています。

豆味噌は水分が少ないので腐敗しにくく、日持ちするのが特徴です。他の味噌を煮込むと風味が飛んでしまいますが、豆味噌は煮込むほど味やコクが増すと言われています。また、徳川家康は八丁味噌を好んでいて、わざわざ江戸まで取り寄せていたという記録が残っています。

 


 

 

醤油については高い商品なら良いと言う訳でも無いので、選ぶのが難しいです。個人的にはフンドーキンの無添加丸大豆醤油をお勧めしたいのですが、あまり近所のスーパーマーケットで販売しているような商品ではないので、入手経路の確保に難があります。

 

 


因みに、管理人は愛知県に本社がある自然食品の販売店、株式会社フォーユーの塩・味噌・醤油を一括で購入しています。フォーユーの製品は無添加が基本ですし、どれもハイレベルな味でハズレがありません。

フォーユーの製品に興味がある方には、知人の代理店を紹介しますので、下記のお問い合わせフォームからご連絡ください。