清濁 思龍

古則公案・SS

私説・倩女離魂(せいじょ りこん)

老僧「・・・以上の理由から、仏教における悟りの定義は『無我を体験する事』となる。何せ、大恩教主・釈迦牟尼世尊が、直々にそう仰せだからな。」 小僧「なるほど、とっくの昔に答えが出ていたんですね!」 老僧「定義が曖昧だと、悟りへの道筋や、言葉の...
古則公案・SS

私説・庭前柏樹(ていぜん はくじゅ)

むかしむかし、ある高名な和尚に「達磨大師が西から来た意味とは何か?」と尋ねた僧侶が居た。その時、高名な和尚は「そこの庭の柏の木だ」と答えたそうな。果たして高名な和尚は、僧侶に何を伝えたかったのだろうか? 老僧「・・・とまあ、これが無門関・第...
古則公案・SS

私説・路逢達道(ろほう たつどう)

道端で禅を究めて悟りを開いた人と出会った場合、言葉や沈黙で相対してはならない。では、何をもって相対すべきか? 老僧「・・・とまあ、これが無門関・第36則、路逢達道という公案のあらすじだ。」 小僧「師匠、この公案は簡単過ぎます! しゃべっちゃ...
古則公案・SS

私説・牛過窓櫺(ぎゅうか そうれい)

五祖曰く、例えば水牛の窓櫺(そうれい)を過ぐるが如(ごと)し。頭部、胴体、四肢、全てが過ぎ終わったのに、何故、尻尾だけ過ぎる事が無かったのか? 老僧「・・・とまあ、これが有名な無門関・第三十八則の牛過窓櫺(ぎゅうか そうれい)という公案のあ...