禅的ミニマリズム・住居編

禅的ミニマリズム

坐禅修行が前提の家選び

禅的ミニマリズムの観点からすると、アパート代をケチるのは得策ではありません。何故なら、安アパートの設備はチープなので、床や水回りから訳の分からない異音がしたり、他の部屋から出る生活音が筒抜け同然で聞こえてくるからです。

坐禅・冥想の最中は五感が研ぎ澄まされているので、ちょっとした物音で心臓が飛び出るほどビックリしてしまいます。安アパートの住民は民度が低く、仲間を呼んで騒いだり、駐車場でタムロをするなどの問題が生じる確率が高いので、運が悪いと坐禅修行どころでは無くなります。

また、安アパートは立地的に交通の便が悪い事が多く、買い物に苦労します。また、ガスがプロパンだったり、他の地域に比べて水道代が割高だったり、今どきWi-Fiや防犯カメラがついていなかったりするので、結局は高くついてしまいます。

 

因みに、管理人の知人が月5万円程度の安アパートの一室に住んでいた時に、上階に水商売の半グレが入居してから騒音に悩まされるようになり、最終的に自主退去する羽目になった事があります。因みに、警察と管理会社は知人の苦情に耳を傾けはしたものの、殆ど何もしてくれなかったそうです。

街の治安と不動産価格には深い関係があり、基本的に地価の安い所は治安も悪いです。駅前だけが不自然なまでに開発が進んでいる地域や、ショッピングモールだけが栄えていて他の所はシャッター街になっているような地域は避けましょう。

地方の田舎は閉鎖的で、地元でしか生きられない人達の掃き溜めと化している事があります。そういう地域の不動産仲介業者は、礼節・接遇が最低だったり、地元のワルと繋がっていたりするので、場合によっては大変な不利益を被ります。

 

生まれつき敏感な人や、これから自己を高めていこうとする人は、社会的に成功した人が集まる新興住宅地で、一人当たり家賃5万以上のアパートか、借家に住む事をお勧めします。

 

持ち家か、借家か

昔から「持ち家と借家、どちらが安上がりなのか?」という論争はありましたが、経済が衰え人口が減る一方の今となっては、借家住まいに軍配が挙がります。

「年を取るとアパートを借り難くなる」という話もありますが、少子化が進む超高齢化社会では、老人にも部屋を貸さないとアパートの経営が成り立ちません。就職氷河期の世代が老境に差し掛かる頃には、不動産会社の方から「部屋を借りてください!」と言い出すようになるかも知れません。

管理人も真剣に都市部のマンション購入を考えたり、伊勢志摩の別荘地に「タイニーハウス」を建てようとしていた時期があります。金銭的には地方都市の単身者用アパートを30年借りるのと大して変わらないので、どちらにするかで相当悩みました。

 

散々悩んだ挙句、最終的に「家を持つと土地に縛られる」と考えるようになりました。今でも山林の小さな土地を購入して、駐車場を作って本籍を置き、車上生活や野営を楽しんでみたいと思う事はありますが、それよりも「土地を持つ」という事の面倒臭さが先に来てしまいます。

田舎暮らしや自給自足への憧れから、田舎の古民家を借りたり、買い取ったりする人は常に一定数居るものですし、東京都・奥多摩町のように過疎対策で移住・定住補助金を出す地域も存在します。

しかし、田舎の人間関係は面倒臭いものですし、運悪く閉鎖的な集落に移住した場合、何年住んでも余所者扱いされて馴染めないという事も有り得ます。田舎暮らしには、田舎暮らしならではのリスクがあるのです。

 

 

ルームシェア or シェアハウス

管理人は現在、関西の新興住宅地のアパートで知人とルームシェアをしています。キチンと話し合ってルールを決めて、お互いにそのルールを守れるなら、この選択肢は十分に有りだと思います。

ルームシェアで家賃を折半すれば、例え月10万円のアパートでも半額で借りられます。このレベルのアパートは作りがしっかりしているので騒音問題も起きにくいし、防犯関連も充実しています。問題点としては、ルームシェア可能な賃貸物件、それ自体が少ないという事が挙げられます。

田舎に行けば行くほどルームシェア可能な物件は少なくなりますし、税収の少なさから行政サービスの質も低下していきます。また、都会に出られない地元ヤンキーとのエンカウント率も上がっていくので、なるべく都市部の新興住宅地でルームシェア可能な物件を探しましょう。

 

賃貸アパートのルームシェアの他に、古民家を買い取って複数人で住むシェアハウスというスタイルも存在します。金銭的に余裕が無いと田舎の物件しか買い取れないのでお勧めは出来ませんが、開き直って廃村寸前の限界集落に活路を見出すと言う手もあります。

実際に和歌山県の廃校舎を譲り受けて集団生活をしている「山奥ニート」なるスタイルがあり、家賃ゼロで月の生活費が2万円という非常にコスパの良い生活をしています。因みに、ニート同士で結婚し、子育てをしている人も居るようです。

ルームシェアやシェアハウスにも問題点はありますが、心身の調子が悪くて働けないとか、障害年金だけで生活保護は貰えなかったという人は、このスタイルによって救われる可能性が高いです。

 

 

ホテル暮らし

お金に余裕があるのなら、マンスリー・ホテルなどに長期連泊して生活するという手もあります。住民票はどうするのかとか、郵便物が届かないといった問題がありますし、キッチンの無い部屋に連泊すると全て外食になりますが、意外とメリットも多いようです。

まず、敷金・礼金がかからず、転居が非常に楽であるという点が挙げられます。土地勘の無い土地に引っ越す場合は何処に住めば良いのか分かりませんから、一ヶ月ほどホテル暮らしをして情報収集してからアパートを借りると良いでしょう。

管理人が土地勘の無い所に引っ越した時は、殆ど下見をせずにアパートを借りた所為で約三ヶ月ほどで不満が爆発してしまい、プリプリ怒りながら引っ越す羽目になりました。本格的な引っ越しの前に、長期連泊して下調べをしておけば、こんな目に遭わずに済んだかも知れませんが、後の祭りです。

 

また、ホテル暮らしは家具や家電を買い揃える必要が無い為、ミニマリズムとの相性も抜群です。新生活を始めるにあたって私物を一切合切始末したいという人や、訳あってアパートを借りられない人にとって、ホテル暮らしは良い選択肢だと思います。

 

 

バン・ライフ

早い話、バン・ライフとは「スマートな車上生活」の事です。車上生活には生活困窮のイメージがありますが、最近はバンライフ系のYOU TUBERが増えてきた事もあって、少しづつ認知度が高まってきています。

バン・ライファーには、PCやタブレットなどを活用してカフェや図書館などで仕事をするノマド・ワーカーが多いのですが、家に帰るよりも車内で寝泊まりする方が楽だという理由からバンライフを始める人も居るようです。

居住空間となるクルマは、キャンピング・カーや、キャブコン、内部を改装したハイエース、フルフラット化が出来る軽バンなどが好まれます。因みに、管理人はN-VANというホンダの軽バンを所有しており、いつでもバン・ライフに切り替えられるよう準備を進めています。

 

本格的なバン・ライフを始めるには、住民票と郵便物の問題を克服しなければなりません。親の住所を借りられるなら話は早いのですが、それが出来ない場合はポケットレジデンスという個人向けのシェアハウスを利用するか、レンタル住所などのサービスを活用すると良いでしょう。

キャンプのスキルがあれば、バンライフはより快適になります。低額もしくは無料のキャンプ場を抑えておけば、食器などの洗い物や、ゴミ捨ての問題が一気に解決します。管理人が居るキャンプ場は、シャワーと洗濯機が設置されている所も多いので要チェックです。

それに加えて、全国展開している24時間フィットネスに入会すれば、シャワー、トイレ、Wi-Fiで困る事はほぼ無くなります。24時間営業なので、駐車場で一晩過ごしても不自然さはありません。洗濯は24時間コインランドリーを利用すれば、寝場所の選択肢が一つ増えます。

 

 

自給自足の小屋暮らし

Bライフとは、山奥の激安な土地を購入して自分で小屋を建てて住むという、一風変わったライフスタイルの事です。Bライフのパイオニアである高村友也(たかむら ともや)氏は、山梨県の雑木林を約70万円で購入し、約10万円ほどの予算で小屋を建てて暮らし始めた人物です。

火は焚火、電気はソーラーパネル、水は近くの湧き水、食事は自給自足も含めて必要最低限。年に二ヶ月ほどアルバイトをすれば、残りの10カ月は自由に暮らせるそうです。地域住民との交流を完全に断ち切る事が出来るなら、こういうスタイルも有りだと思います。

Bライフは正に「世捨て人」といった感じのスタイルですが、世の中にはここまでしないと救われない人も居ると考えるべきかも知れません。

 

 

ドヤ街について

正直、お勧めは出来ませんが、イザとなったら「ドヤ街」に逃げるという選択肢もあります。ドヤ街の「ドヤ」とは宿(ヤド)が転じたもので、大阪府・西成北部のあいりん地区、神奈川県・横浜の寿町、東京23区内の山谷(さんや)が「日本三大ドヤ街」として有名です。

ドヤ街は人の出入りが激しく、人間関係が希薄です。かつてドヤ街の日雇い人夫は、仕事があれば働き、仕事が無ければ日々を気ままに過ごしていたそうです。社会の最底辺ではあるものの、居心地は決して悪くなく、人によっては安住の地に成り得るという話もあります。

現在のドヤ街にかつての活気は無く、日雇い仕事の手配師も殆ど居ません。古いドヤは解体され、新たに集合住宅や訪日外国人向けの簡易宿泊施設を建設しており、かつてのドヤ街らしさは失われつつあります。

 

高齢化した日雇い労働者達は、別のドヤに移住したり、都営住宅に入居するそうです。しかし、他所に馴染めずドヤ街に戻ってきてしまう人も居るらしく、ドヤ街にはマイナス方向に振り切った魅力と浪漫があると言わざるを得ません。

理不尽な社会の仕組みや、社会人としての責任、人間関係の面倒臭さに疲れ果てた経験がある人は、何もかも捨てたその日暮らしの気ままさや、現場特有の希薄な人間関係、炊き出しのタダ飯などに惹きつけられてしまうのです。

しかし、ドヤ街に回ってくる仕事と言えば、危険が伴う単純作業くらいのものなので、キャリアアップのチャンスはほぼありません。また、夜職に染まった人のように、一旦マイナス方向の魅力を味わうと、そこから抜け出す気力も湧かなくなります。

 

注意しなければならないのは、ドヤ街の簡易宿泊所で暮らす事と、政府への届け出によって設置出来る福祉施設の無料低額宿泊所(無低)に入居する事は、全く違うという事です。無低は利権絡みで役所とズブズブの関係になり、質の悪い貧困ビジネスに手を染める所が多く、とても危険です。

酷い所になると、生活保護受給者に寝床と食事を与える代わりに、保護費を8割以上を持って行く所もあるようです。私が会社の新人だった頃にお世話になった元上司も、定年後に認知症で無低入りしてから行方不明になっています。

一方で、ドヤ街・山谷が生み出したものもあります。山谷は安全靴発祥の地ですし、ボクシング漫画のあしたのジョーも山谷が舞台です。コーヒーの世界的名店カフェ・バッハも山谷にありますし、最近は千円でベロベロに酔うというコンセプト「せんべろ」の聖地になりつつあるようです。

 

 

今の日本は経済的な衰退期に入っており、もはや誰でも失業する可能性があります。また、ブラック企業に勤めて心身を病み、働けなくなる事もあるでしょう。そうなってから情報収集を始めても遅いので、今のうちに生き残る為の方法論や、底辺から這い上がる手段を知っておくべきだと思います。

 

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