禅的ミニマリズム・住居編

2022年1月22日禅的ミニマリズム

坐禅修行が前提の家選び

禅的ミニマリズムの観点からすると、アパート代をケチるのは得策ではありません。何故なら、安アパートの設備はチープなので、床や水回りから訳の分からない異音がしたり、他の部屋から出る生活音が筒抜け同然で聞こえてくるからです。

坐禅・冥想の最中は精神が研ぎ澄まされているので、ちょっとした物音で心臓が飛び出るほどビックリしてしまいます。そんな事が続くようなら修行どころではありません。

また、安アパートは立地的に交通の便が悪い事が多く、日々の買い物で手間を取られます。他にもガス代や水道代が割高だったり、今どきWi-Fiがついていなかったりと何かと問題がついて回るので、結局は高くついてしまいます。

 

因みに、管理人の知り合いは訳あって月5万円程度の安アパートの一室に住んでいましたが、上階に水商売の半グレが入居してきてから騒音問題に悩まされるようになり、最後は自主的に退去する羽目になりました。管理会社はこちらからの苦情に対応するだけで、最後まで何もしてくれませんでした。

騒音なんか気にしないし、買い物はネットで済ませたり、宅食で賄うから大丈夫というのであれば話は別ですが、そこまでしてアパート代をケチるのもどうかと思います。

個人的には、生まれつき精神が敏感な人や、これから精神を磨いていこうとする人は、そこそこ良いアパートを借りて静かな環境に身を置くべきですし、生活費を削るなら「衣・食・住」以外の部分を削る方が良いと思います。

 

 

持ち家か、借家か

昔から「持ち家と借家、どちらが安上がりなのか?」という論争はありましたが、経済が衰え人口が減る一方の今となっては、借家住まいに軍配が挙がります。

「年を取るとアパートを借り難くなる」という話もありますが、少子化が進む超高齢化社会では、老人にも部屋を貸さないとアパートの経営が成り立ちません。就職氷河期の世代が老境に差し掛かる頃には、不動産会社の方から「部屋を借りてください!」と言い出すようになるかも知れません。

管理人も真剣に都市部のマンション購入を考えたり、伊勢志摩の別荘地に「タイニーハウス」を建てようとしていた時期があります。金銭的には地方都市の単身者用アパートを30年借りるのと大して変わらないので、どちらにするかで相当悩みました。

 

散々悩んだ挙句、最終的に「家を持つと土地に縛られる」と考えるようになりました。今でも山林の小さな土地を購入して、駐車場を作って本籍を置き、車上生活や野営を楽しんでみたいと思う事はありますが、それよりも「土地を持つ」という事の面倒臭さが先に来てしまいます。

田舎暮らしや自給自足への憧れから、田舎の古民家を借りたり、買い取ったりする人は常に一定数居るものですし、東京都・奥多摩町のように過疎対策で移住・定住補助金を出す地域も存在します。

しかし、田舎の人間関係は面倒臭いものですし、運悪く閉鎖的な集落に移住した場合、何年住んでも余所者扱いされて馴染めないという事も有り得ます。田舎暮らしには、田舎暮らしならではのリスクがあるのです。

 

 

ホテル暮らし

お金に余裕があるのなら、マンスリー・ホテルなどに長期連泊して生活するという手もあります。住民票はどうするのかとか、郵便物が届かないといった問題がありますし、キッチンの無い部屋に連泊すると全て外食になりますが、意外とメリットも多いようです。

まず、敷金・礼金がかからず、転居が非常に楽であるという点が挙げられます。土地勘の無い土地に引っ越す場合は何処に住めば良いのか分かりませんから、一ヶ月ほどホテル暮らしをして情報収集してからアパートを借りると良いでしょう。

管理人が土地勘の無い所に引っ越した時は、殆ど下見をせずにアパートを借りた所為で約三ヶ月ほどで不満が爆発してしまい、プリプリ怒りながら引っ越す羽目になりました。本格的な引っ越しの前に、長期連泊して下調べをしておけば、こんな目に遭わずに済んだかも知れませんが、後の祭りです。

 

また、ホテル暮らしは家具や家電を買い揃える必要が無い為、ミニマリズムとの相性も抜群です。新生活を始めるにあたって私物を一切合切始末したいという人や、訳あってアパートを借りられない人にとって、ホテル暮らしは良い選択肢だと思います。

 

 

ルームシェア or シェアハウス

管理人は現在、関西の新興住宅地の1LDKアパートで、発達障害&毒親持ち&鬱病の三重苦を背負う知人とルームシェアをしています。お互いを深く理解し合い、キチンと話し合う事が出来るなら、この選択肢は十分に有りだと思います。

ルームシェアで家賃を折半すれば、月10万円のアパートを半額で借りられます。このレベルのアパートは作りがしっかりしているので騒音問題も起きにくいし、防犯関連も充実しています。問題点としては、ルームシェア可能な賃貸物件、それ自体が少ないという事が挙げられます。

田舎に行けば行くほどルームシェア可能な物件は少なくなりますし、税収の少なさから行政サービスの質も低下していきます。また、都会に出られない地元ヤンキーとのエンカウント率も上がっていくので、なるべく都市部の新興住宅地でルームシェア可能な物件を探しましょう。

 

賃貸アパートのルームシェアの他に、古民家を買い取って複数人で住むシェアハウスというスタイルも存在します。金銭的に余裕が無いと田舎の物件しか買い取れないのでお勧めは出来ませんが、開き直って廃村寸前の限界集落に活路を見出すと言う手もあります。

実際に和歌山県の廃校舎を譲り受けて集団生活をしている「山奥ニート」なるスタイルがあり、家賃ゼロで月の生活費が2万円という異常なまでにコスパの良い生活をしています。因みに、ニート同士で結婚し、子育てをしている人も居るようです。

ルームシェアやシェアハウスにも問題点はありますが、心身の調子が悪くて働けないとか、障害年金だけで生活保護は貰えなかったという人は、このスタイルによって救われる可能性が高いです。

 

 

自給自足の小屋暮らし

Bライフとは、山奥の激安な土地を購入して自分で小屋を建てて住むという、一風変わったライフスタイルの事です。Bライフのパイオニアである高村友也(たかむら ともや)氏は、山梨県の雑木林を約70万円で購入し、約10万円ほどの予算で小屋を建てて暮らし始めた人物です。

火は焚火、電気はソーラーパネル、水は近くの湧き水、食事は自給自足も含めて必要最低限。年に二ヶ月ほどアルバイトをすれば、残りの10カ月は自由に暮らせるそうです。地域住民との交流を完全に断ち切る事が出来るなら、こういうスタイルも有りだと思います。

Bライフは正に「世捨て人」といった感じのスタイルですが、世の中にはここまでしないと救われない人も居ると考えるべきかも知れません。

 

 

禅寺の常住(じょうじゅう)

「世捨て人」と言えば、仏教の僧侶を連想する人も居る筈です。実際、昔の僧侶には風外慧薫禅師のように穴居生活をしていた人や、ボロボロの小庵に住んでいた人も居ます。

 

 

四国のお遍路さんなら、年間通して善根宿や通夜堂で寝起きしたり、托鉢で食を得る事も出来るようですが、現代社会では基本的にホームレスの乞食生活など許されません。修行中の禅僧(雲水という)も昔は野宿が当たり前だったようですが、今は寺に住み込みで修行する人が殆どです。

坐禅専門道場の中には、ドイツ人禅僧のネルケ無方氏が住職を務めた兵庫県・安泰寺や、出口鉄城老師が住職を務める東京都・東照寺のように、一般人や外国人でも長期間住み込みで坐禅修行をさせてくれる所があります。

出家をしなくても、長期間の住み込み修行は可能です。その場合は常住(じょうじゅう)という扱いになるらしく、修行の内容は出家僧とほぼ同じで、時には先輩として指導員の役割を担う事もあるようです。

 

この世に居場所が無いという人や、心底から人生に決着をつけたいと思っている人は、最後は禅寺に身を寄せる事になるかも知れません。管理人も長期間の住み込み修行に耐えられるよう、日々、修行に励んでいる所です。

 

2022年1月22日禅的ミニマリズム

Posted by 清濁 思龍