止まらない「脳内の独り言」
現代人の脳は勉強や仕事で酷使されており、その上、各種メディアやネット上に氾濫する過剰な情報を処理し続けている為、慢性的な脳疲労(脳過労)の状態にあります。脳疲労の状態が続くと、自律神経が乱れて心身の不調に悩まされます。
疲れているなら休ませれば良いだけの話ですが、現代人はスマフォ中毒やゲーム中毒になっている人が大半を占めており、休息よりも情報収集の刺激を選んでしまうのが困りもの。
脳疲労が蓄積すると雑念が止まらなくなり、睡眠中でも脳を休ませる事が出来なくなります。四六時中、絶え間なく頭の中で雑念が渦巻いていて、しかもそれを全く制御出来なければ、遅かれ早かれ精神を病んでしまいます。
昔の仏僧は、入門時に約一年ほど無言の行をやらされて、その行が終わるまで教義や冥想を教えてもらえなかったそうです。ひょっとすると、その習慣は脳内の独り言を止める為の処置だったのかも知れません。
数息観(すそくかん)
数息観(すそくかん)は釈迦世尊が創始した冥想法で、基本にして最重要の冥想法と言われています。坐禅をしながらゆっくりと呼気の数を数えるという単純な冥想法ですが、上手く出来るようになれば、とても心が落ち着きます。
しかし、数息観で脳疲労を癒すのは難しく、個人的には中難易度の冥想法に分類されると思っています。実際、管理人は数息観を続けられず、途中で挫折しています。
古代ヨーガのトラタカ冥想
トラタカ(Trataka)とは、サンスクリット語で凝視するという意味です。具体的なやり方としては、暗い部屋でロウソクに火を灯し、座禅を組んで目線をロウソクと同じ高さに合わせて、只管(ひたすら)その炎を見つめ続けるだけです。
火には心を落ち着かせる効果があるので、冥想がし易くなります。ただ、文字通り「凝視」すると肩が凝りますし、目も悪くなるので、目の焦点を合わせずボンヤリとロウソクの火を眺める事をお勧めします。
トラタカは火を扱う冥想法なので、万が一ロウソクを倒しても火事にならないよう、場所を整理してから行ってください。因みに、管理人は風呂場にロウソクと座具と仏画を持ち込んで、トラタカ冥想を行っています。
もしトラタカ冥想が難しいと感じたら、就寝の一時間前に電灯、TV、動画、音楽などを消して、ロウソクの炎だけで過ごす時間を作る所から始めてください。ロウソクの炎だけで過ごす事に慣れてくると、少しづつ脳疲労も癒されていきます。
何故なら、薄暗い部屋は刺激や情報量が少ないので、自然な形で脳を休められるからです。脳疲労が癒えれば、トラタカ冥想も苦になりません。
海外からは、日本の家屋は照明の光度が高過ぎて、夜になっても目や脳を休められないと言われています。毎日ロウソクに火を灯すのが面倒なら、照明の光度を下げてみると良いでしょう。
また、脳疲労が原因ではなく、栄養不足で気力が湧かず、坐禅への意欲が生じなくなっている可能性もあります。一応、下記リンク先の記事で確認してみてください。

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