古則公案・SS

私説・雲門屎厥(うんもん しけつ)

むかし、むかしの事じゃった。ある日、ある坊さん(僧B)が、高僧と名高い僧Aと会った時に、仏とは何かと質問をしたそうな。僧Aは「乾屎厥(かんしけつ)」と答えたが、僧Bは意味が分からなかった。何故ならそれは、乾いた一本グソとか、今で言うトイレッ...
古則公案・SS

私説・不思善悪(ふし ぜんあく)

盧(ろ)という名の行者(あんじゃ・寺の雑務を行う労働者)は追われていた。師より法嗣の証たる衣鉢を渡されたは良いが、僧A氏が率いる反対勢力がそれを取り返そうとしているのだ。盧行者は必死に逃げたが、ついに反対勢力に追いつかれ、取り囲まれてしまっ...
古則公案・SS

私説・倩女離魂(せいじょ りこん)

老僧「・・・以上の理由から、仏教における悟りの定義は『無我を体験する事』となる。何せ、大恩教主・釈迦牟尼世尊が、直々にそう仰せだからな。」 小僧「なるほど、とっくの昔に答えが出ていたんですね!」 老僧「定義が曖昧だと、悟りへの道筋や、言葉の...
古則公案・SS

私説・庭前柏樹(ていぜん はくじゅ)

むかしむかし、ある高名な和尚に「達磨大師が西から来た意味とは何か?」と尋ねた僧侶が居た。その時、高名な和尚は「そこの庭の柏の木だ」と答えたそうな。果たして高名な和尚は、僧侶に何を伝えたかったのだろうか? 老僧「・・・とまあ、これが無門関・第...