古則公案・SS

私説・香厳上樹(きょうげん じょうじゅ)

むかしむかし、中国は唐の時代に、香厳智閑(きょうげん ちかん)という優れた禅僧がおったそうな。香厳和尚は「自分自身が木の上で手も足も使わず、枝を咥えてぶらさがっている所を想像し、その状態で祖師西来の意(禅とは何か)について答えてみよ」という...
古則公案・SS

私説・徳山托鉢(とくざん たくはつ)

これは遙か昔、中国大陸での話である。ある日、高名な老僧Aは、一日中托鉢(たくはつ)の修行をしていた。托鉢とは、布施するも無心、それを受けるも無心、お互いに執着の心を離れて功徳を積み合う大切な修行だ。 托鉢を終えた老僧Aは、寺で食事をしようと...
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私説・南泉斬猫(なんせんざんみょう)

むかしむかしの事じゃった。中国大陸のとある僧堂で、子猫に仏性が有るか無いかで論争が起きたそうな。この話は、とある高名な僧侶が、その現場に現れた所から始まる・・・。 師匠「さっきから騒々しいな。何を言い争っているのだ?」 有派「あ、師匠! こ...
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私説・平常是道(びょうじょうぜどう) 

これは遙か昔の事、とある僧達の対話である。 僧A「道とは何ですか?」 僧B「平常の心が道だ。」 僧A「どう向かうべきですか?」 僧B「向おうと努めれば、道から離れる。」 僧A「努力なくして、平常心が道であると分かるのですか?」 僧B「道は知...