重箱と物相飯(もっそうめし)
重箱は伝統的な漆器製の弁当箱であり、おせち料理やお花見などのハレの日には欠かせない行楽のお供です。漆器の重箱は保湿性が高いので、御飯が冷めても硬くなりにくいというメリットがあります。また、急な来客があっても、物相飯(もっそうめし)というワンプレートのスタイルでおもてなしをする事が出来ます。
物相飯とは、禅宗の僧堂で提供されていた一膳盛り切り型の精進料理の事です。それが茶懐石に取り入れられて、型抜きした御飯を盛り付ける事や、御飯用の型抜き自体を物相(もっそう)と呼ぶようになりました。
写真はサツマイモと押麦の物相飯です。
昔の懐石料理では、焼物料理を出す際に引重(ひきじゅう)と呼ばれる二段の重箱を使い、上の重に香の物、下の重には焼物を盛り付けて、みんなで取り分けたと言います。箱膳+応量器のセットに料理が収まりきらない時は、引重のように重箱を使うと良いでしょう。
私が愛用している重箱は、三段とも取り外し可能な十字型の仕切りがついています。色は派手過ぎず、高さも隅切りの箱膳とマッチしているので、とても使い勝手が良いです。ただ、本物の漆器とは言え、木組みの重箱なので、汁気の多い料理を収めるには向きません。
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