古則公案・SS

私説・婆子焼庵(ばす しょうあん)

むかしむかし、ある所に、婆さま(仏教マニア)と器量よしの娘(28歳)が一緒に暮らしておったそうな。婆さまは、ある坊さんを見込んで20年ほど面倒を見てやり、自宅の離れに庵まで建ててやったそうな。 ある日の事じゃった。婆さまは、いつものように僧...
古則公案・SS

私説・南嶽磨磚(なんがく ません)

むかしむかし、馬祖道一(ばそ どういつ)という禅僧が野外で坐禅をしていると、師の南嶽懐譲(なんがく えじょう)が「何の為に坐禅をしているのか?」と問うてきた。馬祖が「仏になる為に坐禅をしています」と答えると、南嶽は黙って近くにある瓦を拾って...
古則公案・SS

私説・父母未生本来面目(ぶも みしょう ほんらい めんもく)

老僧「・・・以上。これが無門関第二十三則、不思善悪(ふし ぜんあく)という公案の概要だ。」 小僧「ご教授、ありがとうございました! 流石は六祖・慧能(ろくそ・えのう)禅師ですね!」 老僧「ああ、追手の恵明(えみょう)をその場で悟らせるなど、...
悟りの体験談

悟りの体験談 その1

清濁思龍の場合 私が社会学者・加藤諦三先生の本を読んだのは、高校2年生の時だ。今にして思えば、これが探求の始まりだった。 高校時代は部活のおかげで仲間にも恵まれたし、あまり苦労らしい苦労をした憶えも無い。何故、仲間が居たのかというと、当時の...