坐禅と立禅(りつぜん)

坐禅と立禅は混同される事が多いのですが、坐禅は丹田呼吸法によって悟りに至ろうとする仏教の体系であるのに対して、立禅は「氣」を練る事で仙人の領域に達しようとする中国仙道の体系に属しています。

しかし、この二つの体系は最終的に「悟り」を目的としている為、非常に親和性が高いのです。実際、中国曹洞宗の大本山・少林寺では、禅と気功(武術気功)の両方を教えています。

立禅という言葉は、中国武術の達人・王向斉(おう こうさい)の弟子、拳聖・沢井健一の造語であり、厳密には禅ではなく武術気功の一種です。沢井健一は太気拳という武術の創始していて、今でも日本国内で王向斉直伝の武術気功を学ぶ事が出来ます。

 

 

立禅は黙って立っているだけに見えますが、本質的には武術のトレーニングなので運動強度は高めです。なので、効果は少々落ちますが、最初は太極拳の補助トレーニングであるスワイショウ(甩手)から始めてみるのも良いでしょう。

 

 

禅者が気功を学ぶメリットはとても大きく、特に独学で禅を修行する人にとっては必須と言って良いです。何故なら、気功によって「氣」の感覚を磨くと、坐禅中に丹田呼吸によって発生した「氣」が、正しい姿勢を教えてくれるからです。

また、坐禅で滞った気血の流れを整えたり、弱った足腰を立禅で鍛え直すのも大切です。因みに、管理人は座禅の代わりに立禅をしたり、経行(きんひん)の代わりに気功をする事もあります。

気功と混同されがちな臼井靈氣療法(うすい れいき りょうほう)も、創始者の臼井甕男(うすい みかお)氏が禅者なので、坐禅との相性が良いのでお勧めです。

坐禅と臼井靈氣療法(レイキ)
靈氣とは何か? 臼井靈氣療法は、明治時代の禅者・臼井甕男(うすい みかお)氏が創始し、海外で発展して逆輸入された民間療法の総称です。海外では有名なヒーリング法ですが、国内ではスピリチュアル界隈の人達にしか知られていません。 臼井氏は若い頃に...

 

また、気功を修行すると体が地磁気の影響を受け易くなるので、それなりに対策が必要になってきます。対策については、下記リンク先の記事をお読みください。

坐禅と地磁気(ちじき)
人体は常に磁気の影響を受けている 人体の生体磁気は地磁気の影響を受けるので、南向きで坐禅をすると禅定に入り易くなります。日常生活では地磁気など問題にもなりませんが、坐禅によって身体の感覚が鋭敏になってくると次第に無視できなくなってきます。 ...

 

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