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禅的ミニマリズム・防災編

2024年4月1日禅的ミニマリズム禅的ミニマリズム

備えあれば憂いなし

日本は災害の多い国です。いつ起こるか分からない地震や火山の噴火に、台風による水害と風害。よくよく考えてみれば火災や凶悪犯罪に巻き込まれる可能性もゼロではありませんし、最近は無差別殺人事件も増えています。

2020年頃に発生したコロナウイルス禍では、スーパーやコンビニの陳列棚から、食品や、マスクや、トイレットペーパーなどの生活必需品が姿を消しました。混乱は情報の錯綜(さくそう)を生じさせ、やがて流言や詐欺などが蔓延ります。

あまり不安を煽るのも良くないですが、危機から目を逸らしてばかりいると、実際にトラブルが発生した時に対処出来ません。あなた自身が危機感を持ち、率先して防災の備えを始めれば、周囲の人達も影響を受けて防災の備えを始めます。それが結果的に人々の命と財産を守る事に繋がります。

 

 

災害に強い暮らし

災害への備えは、物資の備蓄とライフスタイルの見直しから始まります。背の高い家具や、大きなテーブルは逃げ道を塞ぎかねないので、なるべく置かないようにしましょう。室内履きは窓ガラスや他のガラス製品が割れた時のことを考えて、なるべく底が厚く、足の指先を覆うものを選びましょう。

また、バールは自室からの逃走経路を確保したり、落下物の下敷きになった人を助ける際に必要なので、一家に一つは欲しい所です。因みに、我が家では箱膳を使っているので、避難の邪魔になる家具はありません。

 

 

家は夏の暑さや、冬の寒さから我々を守ってくれる大切な財産です。被災しても自宅が無事なら良いのですが、予(あらかじ)め地震で倒壊したり、火災で焼失したり、津波で流されたりする事も考えておかねばなりません。

自動車は移動可能な冷暖房完備のシェルターであり、生活必需品やテントを含むキャンプ・ギア一式を積んでおける倉庫でもあります。ガソリンの補給が出来るなら、市町村の指定避難所より快適かも知れません。

軽バンやミニバンでの車中泊愛好家は意外と多く、サンプルも豊富です。工夫すれば家族での車中泊も可能になるので、防災関連の優先順位は高いと言えます。

 

大きな地震が起こると、電気、水道、ガスといったインフラ設備が破壊されます。電気の復旧は早いものの、ガスと水道の復旧には数ヶ月かかる為、その間、不便な生活を強いられます。地域の給水ステーションが解放されるか、給水車が来るまでは、飲用水にも事欠きます。

常に浴槽に水を張っておけば、溜めた水でトイレを流したり、初期の消火活動を行う事が出来ます。また、濾過器があれば風呂水や雨水も飲用可能になるので、災害に備えて予め作成しておくと良いでしょう。

また、携帯型の浄水器を購入しておけば、不衛生な川や池の水であっても直ちに飲用が可能になります。スイスの浄水器メーカーであるカタダイン社のBeFree(ビーフリー)は、1000ℓまでの浄化能力が保障されています。

 

 

食品の備蓄は、カルビー社のフルグラをローリングストックすると良いでしょう。フルグラの原料は穀物とドライフルーツなので、災害時に必要なカロリーとビタミンやミネラルが摂取できる上に、調理不要でそのまま食べられます。賞味期限も約一年と長めなので、コスパも良いです。

また、フルグラは味も良く、毎日食べても飽きません。有事の際に食べ慣れたものを食べると精神的に落ち着くという話もあるので、日頃から常食すれば最高の防災糧食になります。

 

 

被災後の復旧支援がある程度まで進めば、自宅での炊飯が可能になります。備蓄のコメを無洗米にしておけば、コメを研ぐ必要が無いので、水の節約に繋がります。コメを研がなくても炊飯が出来る「不思議な めし袋」という商品もありますが、少々高額です。

また、カセットコンロで有名なイワタニ社の製品「アイラップ」があれば、湯煎での炊飯が可能になります。食器をアイラップで包んでから使用すれば、食器を洗う水を節約する事が出来ますし、衛生面の心配も無くなります。

 

 

電線とは違って、地面に埋まっている都市ガスと水道の復旧には数か月かかるので、自宅にカセットコンロとガスボンベを備えておきましょう。カセットコンロのメーカーは、コンビニでも購入できるほど流通しているイワタニ製がお勧めです。

実際、過去に被災地に送られてきた援助物資のガスボンベは、イワタニ製がダントツで多かったそうです。まだ自宅にカセットコンロが無いなら、イワタニ製の小型ガスバーナーを購入しましょう。これならキャンプと防災の両方で使えるので、無駄がありません。

 

 

支援物資の中に燃料用アルコールが含まれていても、使い方を知らない人が多い為、最後まで余ってしまうそうです。しかし、小型のアルコール・ストーブ(アルスト)を持っていれば、余っている燃料用アルコールを使えます。

アルストを防災グッズに取り入れるなら、百均で販売している小型・中型のメスティンも揃えましょう。アルストとメスティンで炊飯が可能ですし、アイラップで包めば炊き出し用の食器となり、食後に洗浄する水を節約する事が出来ます。

百均メスティンはコストパフォーマンスが良く、簡単に手に入り、重ねて収納(スタッキング)できるので場所を取らないという最高の防災グッズです。日頃から使い慣れておけば、イザという時に必ず役に立つ筈です。

 

 

アルスト炊飯についての詳しい事は、下記リンク先の記事をお読みください。

https://darshana-marga.net/8594/

 

 

防災グッズについて

市販されている「非常持ち出し袋」を自宅の倉庫に入れておくより、救命に直結するLEDライト、ホイッスルor熊鈴、携帯浄水器、マスク、目薬、手拭いなどを普段使いのバッグの中に入れておきましょう。何故なら、自宅で被災するより、出先で被災した時の方が大変だからです。

また、ファイアースターター(メタルマッチ)と、麻紐かティッシュペーパー、マルチツール(銃刀法に抵触しないもの)があれば簡単に火を起こせるので、これらのセットも普段使いのバッグの中に入れておくと安心です。

麻紐の先端をマルチツールでしごいてほどき、ファイアースターターで着火します。普通のマッチとは違って、水で濡れても乾かせばOKですし、故障も殆どありませんが、多少の訓練を必要とします。

 

 

LEDライト

LEDライトは、明るさの度合いを意味するルーメン(LM)数値が高い物を選びましょう。LMの数値が低い物の方が安価ですが、イザという時に暗くて何も見えないのでは困るので、最低でも70LM前後は欲しい所です。

また、LEDライトは防犯や護身アイテムとしても優れています。災害後の避難所では被災者のストレスは溜まる一方なので、女性のトイレについて行ってレイプするなどの犯罪が横行します。その際、犯罪者を明かりで照らすだけでも、犯罪は抑止されると言われています。

また、視界が悪い上に両手が塞がっていると行動に支障が出て、大幅に危機回避能力が低下します。LEDライトにはヘッドライト型とフラッシュライト型がありますが、防災においては両手が空くヘッドライト型に勝るものはありません。

 

外国製のヘッドライトは作りが甘く、電極のバネが取れたり折れたりするので、国産品の購入をお勧めします。個人的には、モンベル社のヘッドライトがお勧めです。軽量で単三電池一本で稼働する上に、10年近く使っている古いモデルでも未だに壊れる気配がありません。

 

 

ヘッドライトにモンベル社のクラッシャブルランタンシェードをかぶせれば、LEDランタンに早変わりです。管理人はキャンプの際に、テントやタープの中で吊り下げています。

 

 

熊鈴&ホイッスル

登山用の熊鈴とホイッスルは、地震で何かの下敷きになったり、何処かに閉じ込められた時に有効です。助けを呼ぶ為に長時間大きな声を出していると疲れてしまいますが、この二つのアイテムに要する労力はとても少ないのが長所です。

製品の種類は沢山ありますが、なるべく簡単に音を出せるものを選びましょう。私はIDカードが入るタイプのホイッスルを所持していた時期もありますが、音が出難かったのでモンベル社のホイッスルに変更しました。

 

 

マスク

新型コロナのような流行性の病気や、災害後の粉塵から呼吸器系を守るには、マスクをするのが一番です。また何かあった時に在庫切れするのは必至なので、今のうちに最新の医療用マスクを箱買いしておきましょう。

 

 

目薬

目にゴミが入ると視界が奪われ、危機回避能力が失われてしまいます。自動車のウォッシャー液を切らすと整備不良車両と見做されてしまいますが、それはフロントガラスが汚れて視界が奪われたままだと危険だからです。

災害時にガラス片や石や金属の粉が目に入る事は、十分にあり得ます。そういった物体が目の中に入ってしまったら、目薬や生理食塩水で洗い流すか、なるべく眼球を動かさないように柔らかいタオルや手拭いなどで目を覆うと良いそうです。

百均で小型のスプレーを購入して、生理食塩水を入れておくと、目にゴミが入った時に重宝します。

 

 

手拭い

拭くも良し、包むも良しの万能布です。手拭いがあれば火災で加熱したドアノブも短時間なら掴めますし、口元にあてれば簡易マスクになります。手拭いではなく、ハンカチやタオルでも構いません。

 

 

移動手段の確保

人が歩いて移動できる距離と速度には限界があります。自然災害のみならず、人的被害から身を守る為にも、複数の移動手段を確保しておく事が大切です。

 

 

自転車

災害時の最有力移動手段です。防災グッズを積む為のキャリアーがついている(つけている)ものがお勧めです。しかし、自転車はあまりに身近過ぎて、メンテナンスを怠りがちなのが問題です。タイヤのエアーチェック、チェーンオイル、ブレーキのチェックを欠かさないよう気を付けましょう。

 

 

自動二輪・ミニバイク

オフロード・バイクが災害時に本領を発揮するのは当然ですが、阪神淡路、東日本、熊本の震災で大活躍したのは、スクーターなどのミニバイクだと言われています。ガソリン切れや、パンクの修理が困難だという問題はありますが、非常に有効な移動手段である事には変わりません。

 

 

自動車

確かに人や物を運ぶ能力は優れていますが、災害時は車体と排気量の大きさが仇になります。道路がヒビ割れ、無数の障害物が落ちている中、果たしていつも通りにクルマを運転できるものでしょうか?

自動車は災害時の移動手段には向きませんが、何らかの理由で家に入れない時に車中泊をしたり、家を失った時に車上生活に入る事が出来ます。

注意すべきは、災害時はガソリン泥棒が出る事です。泥棒が車の中に人が居ると知って逃げ出すか、舌なめずりして襲って来るかは、その時になってみないと分かりません。

 

 

避難経路と避難場所の確保

災害から身を守るには、まず危険な場所から逃げなければいけません。しかし、避難が出来る最寄りの安全な場所は、何処にあるのでしょうか?

各ご家庭には市町村が発行した防災マップがある筈ですので、まずはそれを確認してみて下さい。もし無い場合は、ネットで調べてみましょう。

大規模災害時の理想的な避難場所は、揚水ポンプや食料の備蓄、衛生的なトイレ、太陽光発電などの設備が充実している防災公園などの公的施設です。

 

しかし、公園によって設備内容が違いますし、どの公園も周辺住民の数の割には規模が小さいので、有事には人でごった返す可能性が高いです。

何処に、如何して逃げるべきかは、現住所の位置で変わって来ます。なので、一度は自分の目で、避難経路と避難場所を確認しに行く事をお勧めします。

因みに、2016年の熊本地震の際には、防災公園に避難してきた被災者達が「かまどベンチ」なる物を知らなかった為に、全く活用されなかったと言う話があります。物を活かすのは人です。防災の知識を持つ人が居なければ、折角の設備も意味を成しません。

 

下の写真は、某所のかまどベンチです。ネジで留めてある前面の鉄板プレートを外し、ボルトで留められている木製ベンチの部分を外せば、煮炊きの出来るかまどとして使えます。

工具が無いと使えませんが、かまどベンチは防災倉庫の近くに設置されるものなので、恐らくはそこに保管されている筈です。

 

 

かまどスツールなるものもあります。変色しているのは、防災訓練で使用された事があるからでしょうか。これも普段はネジとボルトで固定されています。

 

 

災害用仮設トイレ(防災パーゴラ)です。マンホール・トイレと言った方が分り易いでしょうか。

 

 

被災時に逃げる場所を間違えると酷い事になるようです。キャンプ用のテントを持ち出せれば、設備の整った防災公園に陣取れるかも知れません。学校の体育館などは、何も持ち出せなかった人が最後に行く所なので、あまり治安が良くないと聞いています。

 

 

複数の指定避難場所をチェックする

避難経路と避難場所は、複数の場所を確認・把握しておくべきです。災害時にいつもの道路が、いつものように使えるとは限りません。火災・水害に行く手を阻まれる可能性もありますし、人的な理由で迂回せざるを得ない場合もあるでしょう。

避難場所は時間が経てば経つほど良い場所が無くなるものですが、状況的に確保した場所にとどまれない、もしくはとどまれなくなる事もあり得ます。移動先を知らないと、その場所に固執する事になり、余計な軋轢を生んでしまいます。

確かに一瞬にして全てを奪う災害は恐ろしいものですが、被災によって追い詰められた人間の心理もまた恐ろしいものです。大変な時に余計な人間関係のストレスを抱え込まなくても良い様に、複数の避難場所を知っておきましょう。

 

避難場所の他にも、地域の災害時給水ステーション(給水拠点)が何処にあるかも調べておくべきです。因みに、日本国内で最も人口が密集している東京都内には、給水場は213ヶ所、およそ半径2kmの距離内に1か所あるそうです。

水場や給水場から遠い場所を避難場所に選ぶと、後々不便な思いをする事になるかも知れないので、今のうちに調べておきましょう。

 

 

自分の体力を把握しておく

試しに想像してみてください。家財が倒れて散らかった部屋や、必要な物を詰め込んだリュックサック、歪んだドアをバールでこじ開け、予め決めていた避難場所まで歩いていく自分自身の姿を・・・。

被災した時に最も頼りになるのは自分自身の身体です。危険になった場所から避難したり、逃走経路を確保する際には体力・腕力がものを言います。若い時には考えられない話ですが、年を取ると全力で走る事さえ出来なくなるものです。

健康や体力は財産ですし、自分の身体がどれほど動けるのかを知っておくのは大切な事です。日頃から筋トレやウォーキングに励んでおけば、イザという時に命を拾えるかも知れません。

 

 

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Posted by 清濁 思龍