防災と危機管理

2020年10月5日雑話・備忘録

命と財産を守る為に

日本は災害の多い国です。いつ起こるか分からない地震や火山の噴火に、毎年のようにやってくる台風による水害・風害。よくよく考えてみれば、火災や凶悪犯罪に巻き込まれる可能性もゼロではありません。

2020年のコロナウイルス禍でも同じ事が起きましたが、大きな災害が発生するとスーパーやコンビニの陳列棚からは食品や、マスクやトイレットペーパーなどの生活必需品が姿を消します。混乱は情報の錯綜(さくそう)を生じさせ、やがて流言や詐欺などが蔓延ります。

あまり不安を煽るのも良くないですが、危機から目を逸らしてばかりいると、実際にトラブルが発生した時に対処出来ません。あなた自身が危機感を持ち、率先して防災の備えを始めれば、周囲の人達も影響を受けて防災の備えを始めます。それが結果的に人々の命と財産を守る事に繋がります。

 

 

災害に強い部屋づくり

災害への備えは、物資の備蓄とライフスタイルの見直しから始まります。都市型サバイバルにおいて、自宅や自室はシンプルに整理整頓しておくのは基本です。なるべく背の高い家具は置かないようにして、ガラス窓や製品が割れても良いように日常的に底の厚いサンダルを履くようにしましょう。

これは私の自室ですが、背の高い家具や、重量のある家具は殆どありません。地震が来た時にテーブルは邪魔になるので、代わりに漆器製の「箱膳」を使うようになりました。

 

 

陶器やガラス製品は災害に弱いので、普段使いの食器は全て漆器に変えました。箱膳の中には、入れ子椀の「応量器」と、寿司屋の湯飲みが入っています。私は座布団の代わりに、坐禅用の「座蒲(ざふ)」に坐って食事をしています。箱膳 応量器 応用器 座蒲

 

 

私が住んでいる部屋は災害時に窓から逃げる事が出来ないので、逃走経路を確保する為のバールが必要不可欠です。バールは落下物の下敷きになった人を助ける為の救命道具になりますし、イザという時には武器にもなります。バールはかなり重いので、平時に扱い慣れておきましょう。

 

 

風呂の湯船には常に水を張っておき、断水や火事に備えましょう。飲料水としてペットボトルを何本か買い溜めておくのも一つの手ですが、携帯浄水器があれば湯船の風呂水を飲用水にする事が出来ます。

携帯浄水器にはボトル型とストロー型があるのですが、管理人のお勧めはスイスの浄水器メーカーであるカタダイン社の製品「BeFree(ビーフリー)」です。他の携帯浄水器と比べると水の出が非常に良く、1000ℓまでの浄化能力が保障されています。

災害時のみならず、管理の怪しい水道水や、登山の最中で見つけた湧水、キャンプ場近くの川の水を飲めるようになるので、水と言う重い物体を大量に持ち運ぶ必要が無くなります。誇張抜きにして、アウトドアのシーンでは必携のアイテムです。

 

 

実際に所持してみると、容器の柔らかさと軽さに驚きます。浄水機能のあるパーツは折り曲げられないので日常的に持ち歩くのは難しいと思いますが、災害時にキレイな水を手に入れられれば生存率が大幅に上がるので、なるべく所持するようにしたいですね。

 

 

カタダインは海外では有名な浄水器のメーカーですが、国内で製品を取り扱っている店は少ないので、ネットで注文した方が早いです。一家に一つは欲しいですね。

 

 


ガスと水道の復旧には時間がかかるので、自宅にカセットコンロとガスボンベを備えておきましょう。また電気の復旧は比較的早いので、一口もののIHヒーターも準備しておくと心強いです。ただし、ガスとは違ってIHヒーターはクセが強いので、平時に使い勝手を確かめておく必要があります。

 

 

カセットコンロと言えば株式会社イワタニの製品が有名ですが、アウトドアでも使えるコンパクトなガスバーナーも販売している事は、あまり知られていません。

イワタニ製のガスボンベは、コンビニでも購入できるほど流通しているので価格も安いですし、被災した時に送られてきた援助物資のガスボンベも、イワタニの製品がダントツで多かったと聞いています。

私は長らくスノーピーク社のチタン製ガスバーナーを愛用してきましたが、その話を聞いてイワタニに乗り換えました。

 

 

食品の備蓄については、米を無洗米に変更したり、カルビー社のフルグラをローリングストックすると良いでしょう。フルグラの原料は穀物とドライフルーツなので、災害時に必要なカロリーとビタミンやミネラルが摂取できる上に、調理不要でそのまま食べられます。

防災糧食としては非の打ちどころが無いですし、かなり美味しいので毎日食べても飽きません。非常時に食べ慣れたものを食べると精神的に落ち着くという話もあるので、日頃からフルグラを食べ慣れておきましょう。

 

 

マスク、トイレットペーパー、生理用品など、災害時にスーパーの陳列棚から無くなった物は、平時に揃えておきましょう。もし家が倒壊して自室に閉じ込められたとしても、最低三日は問題なく生きられるように準備しておくと良いようです。

 

 

非常持ち出し袋について

防災の観点からすると、市販されている「非常持ち出し袋」を家の何処かに置いておくより、救命に直結するLEDライト、ホイッスル、携帯浄水器、マスク、目薬、手拭いを普段使いのバッグの中に入れておき、肌身離さず持ち歩いたり、枕元に置いておく方がずっと良いです。

これらの道具はキャンプ用の道具(ギア)としても使えるので、防災訓練とメンテナンスの意味も込めて定期的にキャンプをしに行く事をお勧めします。

 

 

LEDライト

LEDライトは、明るさの度合いを意味する「ルーメン(LM)」の数値が高い物を選びましょう。LMの数値が低い物の方が安価ではありますが、イザという時に暗くて何も見えないのでは話になりません。最低でも70LM前後は欲しい所です。

また、LEDライトは防犯や護身アイテムとしても優れています。災害後の避難所では被災者のストレスは溜まる一方なので、女性のトイレについて行ってレイプするなどの犯罪が横行します。その際、犯罪者を明かりで照らすだけでも、犯罪は抑止されると言われています。

また、視界が悪い上に両手が塞がっていると行動に支障が出て、大幅に危機回避能力が低下します。LEDライトにはヘッドライト型とフラッシュライト型がありますが、防災においては両手が空くヘッドライト型に勝るものはありません。

 

 

外国製のヘッドライトは作りが甘く、電極のバネが取れたり折れたりするので、国産品の購入をお勧めします。個人的にはモンベル社かロゴス社のヘッドライトが良いと思います。

私が愛用しているのはモンベル社のヘッドライトです。軽量かつ単三電池一本で稼働するので、外仕事の時にも使っていました。もう4~5年は使っている古いモデルなのですが、未だに全く壊れません。


モンベル コンパクト ヘッドランプ ブラック 1124657
 

 

 

こちらは単四電池3本で稼働する、ロゴス社のヘッドライトです。定価が1500円(Amazonだと1000円以下)と安価なのに、70LM以上の明るさを誇ります。ノンタッチ機能があるので、直接触らずにON/OFFの切り替えが出来ます。

 

 

モンベル社のクラッシャブルランタンシェードをヘッドライトにかぶせれば、あっという間にLEDランタンに早変わりします。サイズの割には明るいので、キャンプ場で光源として使えます。

 

 

クラッシャブル・ランタンシェードは、お近くのモンベルショップで取り扱っています。

 

 

ホイッスル

ホイッスルは、地震で何かの下敷きになったり、何処かに閉じ込められた時に有効です。助けを呼ぶ為に長時間大きな声を出していると疲れますが、ホイッスルなら呼吸をするだけで音を出す事が出来ます。

製品の種類は沢山ありますが、なるべく簡単に音を出せるものを選びましょう。私はIDカードが入るタイプのホイッスルを所持していた時期もありますが、音が出難かったのでモンベル社のホイッスルに変更しました。

ホイッスルの代わりに、登山用の熊鈴を持つのも良いでしょう。手拭いなどの布で包めば走っても音が出る事はありません。

 

 

マスク

新型コロナのような流行性の病気や、災害後の粉塵から呼吸器系を守るには、マスクをするのが一番です。また何かあった時に在庫切れするのは必至なので、今のうちに最新の医療用マスクを箱買いしておきましょう。

マスクは耳でとめるより後頭部でとめる方が密封性が高くなるので、イザという時の為にマスク用のストラップを用意しておきましょう。

 

 

目薬とオーバーグラス

目にゴミが入ると視界が奪われ、個人の危機回避能力もほぼ失われます。自動車のウォッシャー液を切らすと整備不良車両と見做されてしまいますが、それはフロントガラスが汚れて視界が奪われたままだと危険だからです。

災害時にガラス片や石や金属の粉が目に入る事は、十分にあり得ます。そういった物体が目の中に入ってしまったら、目薬や生理食塩水で洗い流すか、なるべく眼球を動かさないように柔らかいタオルや手拭いなどで目を覆いつつ、すみやかに病院に行くしかありません。

目の負傷は生死に直結するので、普段から意識して目を保護するアイテムを所持しましょう。私はサイズ的な問題からコールマン社の偏光オーバーグラスを購入しましたが、出来るならミドリ安全の公式ページで花粉・防塵の保護メガネを購入すると良いでしょう。

 

 

手拭い

拭くも良し、包むも良しの万能布です。手拭いがあれば火災で加熱したドアノブや、炊飯した飯盒なども掴めます。私は神社仏閣巡りで手に入れた手拭いをバッグやポケットに忍ばせて、御守り代わりにしています。その中でも、石上神宮の手拭いが一番のお気に入りです。

 

 

 

可能なら持ち出したい物

全てを持ち出す訳にもいかないので、優先度が高いと思われるものから箇条書きにしておきます。参考程度に見ておいてください。

 

・グランドシート(グラバー社のオールウェザー・ブランケットがお勧め)

・水入りのペットボトル

・食料(フルグラなど)

・大型のビニール袋

・トイレットペーパー

・救急箱

・ラジオ機能付きICレコーダー

・食品用ラップ

・乾電池

・雨ガッパ・ポンチョ

・レトルトのおかゆ

・軍手

・キャンプ用グランドシート

・ロープ

・シュラフ

・エアマット

・テント

・石鹸

・洗濯ばさみ

・歯ブラシ、歯磨き粉(リステリンでも代用可)

・救急箱

・マッチ(ガスライター)

・ひげ剃り

・予備の靴下

・替えの下着

・折り畳み可能なポリタンク

・スマートフォン用ソーラー充電器

・キャンプ用の飯盒やクッカー

・カセットコンロ(バーナー)やガスボンベ

 

 

自分の体力を把握する

試しに想像してみてください。家財が倒れて散らかった部屋や、必要な物を詰め込んだリュックサック、歪んだドアをバールでこじ開け、予め決めていた避難場所まで歩いていく自分自身の姿を・・・。

被災した時に最も頼りになるのは自分自身の身体です。危険になった場所から避難したり、逃走経路を確保する際には体力・腕力がものを言います。若い時には考えられない話ですが、年を取ると全力で走る事さえ出来なくなるものです。

健康や体力は財産ですし、自分の身体がどれほど動けるのかを知っておくのは大切な事です。日頃から筋トレやウォーキングに励んでおけば、イザという時に命を拾えるかも知れません。

 

 

移動手段の確保

人が歩いて移動できる距離と速度には限界があります。自然災害のみならず、人的被害から身を守る為にも、複数の移動手段を確保しておく事が大切です。

自転車

災害時の最有力移動手段です。防災グッズを積む為のキャリアーがついている(つけている)ものがお勧めです。しかし、自転車はあまりに身近過ぎて、メンテナンスを怠っている事が多いものです。タイヤのエアーチェックはしていますか? チェーンオイルは何時つけましたか? ブレーキは大丈夫ですか?

 

 

二輪車・ミニバイク(原チャリ)

阪神大震災で大活躍したと言われているのは、スクーターなどのミニバイクです。ガソリンが切れたら終わりですし、パンクも自力で直すのは難しいという問題点はあるものの、非常に有効な移動手段と言えます。

多少排気量が大きくても、オフロード車やオフロード・ベースのバイクなら、災害時に活躍してくれる筈です。ただ、取り回しの悪いレーサーレプリカや、大型のツアラー、ネイキッドなどのバイクには、あまり期待できないかも知れません。

 

 

自動車

確かに人や物を運ぶ能力は優れていますが、災害時は車体と排気量の大きさが仇になります。道路はヒビ割れ、無数の障害物が落ちている中、果たしていつも通りにクルマを運転できるものでしょうか?

自動車は災害時の移動手段には向きませんが、何らかの理由で家に入れない時に車中泊をしたり、家を失った時に車上生活に入る事が出来ます。

注意すべきは、災害時はガソリン泥棒が出る事です。泥棒が車の中に人が居ると知って逃げ出すか、舌なめずりして襲って来るかは、その時になってみないと分かりません。

 

 

避難経路と避難場所の確保

災害から身を守るには、まず危険な場所から逃げなければいけません。しかし、避難が出来る最寄りの安全な場所は、何処にあるのでしょうか?

各ご家庭には市町村が発行した防災マップがある筈ですので、まずはそれを確認してみて下さい。もし無い場合は、ネットで調べてみましょう。

大規模災害時の理想的な避難場所は、揚水ポンプや食料の備蓄、衛生的なトイレ、太陽光発電などの設備が充実している防災公園などの公的施設です。

 

しかし、公園によって設備内容が違いますし、どの公園も周辺住民の数の割には規模が小さいので、有事には人でごった返す可能性が高いです。

何処に、如何して逃げるべきかは、現住所の位置で変わって来ます。なので、一度は自分の目で、避難経路と避難場所を確認しに行く事をお勧めします。

因みに、2016年の熊本地震の際には、防災公園に避難してきた被災者達が「かまどベンチ」なる物を知らなかった為に、全く活用されなかったと言う話があります。物を活かすのは人です。防災の知識を持つ人が居なければ、折角の設備も意味を成しません。

 

下の写真は、某所のかまどベンチです。ネジで留めてある前面の鉄板プレートを外し、ボルトで留められている木製ベンチの部分を外せば、煮炊きの出来るかまどとして使えます。

工具が無いと使えませんが、かまどベンチは防災倉庫の近くに設置されるものなので、恐らくはそこに保管されている筈です。

 

 

かまどスツールなるものもあります。変色しているのは、防災訓練で使用された事があるからでしょうか。これも普段はネジとボルトで固定されています。

 

 

災害用仮設トイレ(防災パーゴラ)です。マンホール・トイレと言った方が分り易いでしょうか。

 

 

被災時に逃げる場所を間違えると酷い事になるようです。キャンプ用のテントを持ち出せれば、設備の整った防災公園に陣取れるかも知れません。学校の体育館などは、何も持ち出せなかった人が最後に行く所なので、決して治安も良くないと聞きます。

 

 

複数の指定避難場所をチェックする

避難経路と避難場所は、複数の場所を確認・把握しておくべきです。災害時にいつもの道路が、いつものように使えるとは限りません。火災・水害に行く手を阻まれる可能性もありますし、人的な理由で迂回せざるを得ない場合もあるでしょう。

避難場所は時間が経てば経つほど良い場所が無くなるものですが、状況的に確保した場所にとどまれない、もしくはとどまれなくなる事もあり得ます。移動先を知らないと、その場所に固執する事になり、余計な軋轢を生んでしまいます。

確かに一瞬にして全てを奪う災害は恐ろしいものですが、被災によって追い詰められた人間の心理もまた恐ろしいものです。大変な時に余計な人間関係のストレスを抱え込まなくても良い様に、複数の避難場所を知っておきましょう。

 

避難場所の他にも、地域の災害時給水ステーション(給水拠点)が何処にあるかも調べておくべきです。因みに、日本国内で最も人口が密集している東京都内には、給水場は213ヶ所、およそ半径2kmの距離内に1か所あるそうです。

水場や給水場から遠い場所を避難場所に選ぶと、後々不便な思いをする事になるかも知れないので、今のうちに調べておきましょう。

 

 

災害関連の必読書

スイス民間防衛

 

 

東京防災(Kindle版) PDF版

 

 

大震災サバイバルマニュアル

 

 

避難訓練としてのキャンプ

この記事を書いている2020年の時点では、ソロで行うキャンプ(ソロキャン)が流行しています。これを一過性の流行で終わらせず、避難訓練も兼ねてキャンプを楽しむ習慣を身に付けましょう。当サイトにもキャンプ車中泊の記事がありますので、よろしければ御覧になってください。

 

2020年10月5日雑話・備忘録

Posted by 清濁 思龍