坐禅と公案
公案とは、禅宗の師弟が問答をしたり、師が弟子に問題を出す事を言います。臨済宗や黄檗宗(臨済正宗)は看話禅(かんなぜん)と言って、公案を解く事で悟りに近づこうとします。ただ只管(ひたすら)に打ち坐る黙照禅(もくしょうぜん)こそが悟りの姿とする曹洞宗でも、公案を用いて修行をします。
法身(ほっしん)
法身とは、色身(肉体)の対義語です。不生不滅の本来の自己、己が仏性に目覚める為に用いられる公案です。
・趙州無字
・狗子仏性
・不思善悪
・庭前柏樹
・隻手音声
・雲門須弥
機関(きかん)
法身の公案に参じて見性した人が、そこで立ち止まらないよう「悟後の修行」で用いる公案です。
・南泉斬猫
・趯倒浄瓶(てきとうじんびん)
・水上行話(すいじょうこうわ)
言詮(げんせん)
詮(せん)とは明らかにするという意味で、不立文字(ふりゅうもんじ)とは逆に、語句を以って悟りを表現しようとする公案です。
・州勘庵主
・雲門屎厥
・路逢達道
難透(なんとう)
公案の難易度は人によって変わり、ある人は簡単に透れても、別の人はなかなか透れないという事もあるそうです。しかし、難透に選ばれた公案は、己の未熟さや問題点を認めない限り、まず透れないと言われています。
・倩女離魂
・牛過窓櫺
・婆子焼庵
向上の公案
・徳山托鉢
・暮雲之頌
洞上五位
中国・曹洞宗(洞曹宗とも)の宗祖・洞山良价(とうざん りょうかい)の五位説を学び、理解する。五位説は禅者の心のあり方を示す正偏五位と、功勲五位によって成り立つ。
十重禁戒(じゅうじゅうごんかい)
梵網経・下巻(菩薩戒経とも言われる)の「十重四十八軽戒」と呼ばれている禁戒を学ぶ。
末後の牢関
特定の公案は無いと言われている。