坐禅と宗派(しゅうは)

・初祖達磨(しょそ だるま)

達磨大師(ボーディ・ダルマ)は、古代イラン・ササン朝ペルシア出身の西域南天竺(南インド)の仏教僧であり、釈迦伝法嗣28代目。海を渡り、河南省は崇山少林寺(のちに曹洞正宗を名乗る)にて面壁坐禅を九年行い、大悟徹底したとの逸話で知られる。

 

・二祖慧可(にそ えか)

慧可は初祖達磨の弟子。片腕を切り落として決意を示した「慧可断臂(えか だんぴ)」の逸話で知られる。

 

・三祖僧璨(さんそ そうさん)

僧璨鑑智(そうさん かんち)は二祖慧可(にそ えか)の弟子。在家の居士として慧可と対話し、悟る。著書「信心銘」は禅宗四部録として知られる。

 

・四祖道信(しそ どうしん)

道信は三祖僧璨(さんそ そうさん)の弟子。弟子の弘忍と共に、東山法門として中国禅宗を発展させた事で知られる。

 

・五祖弘忍(ごそ ぐにん)

弘忍は四祖道信(しそ どうしん)の弟子。師の道信と共に、東山法門として中国禅宗を発展させた事で知られる。「五祖山の法演(ほうえん)禅師」とは全くの別人。

 

・六祖慧能(ろくそ えのう)

慧能は五祖弘忍(ごそ ぐにん)の弟子。大鑑(だいかん)慧能、曹渓(そうけい)慧能とも。文盲である事や、五祖弘忍(ごそ ぐにん)から衣鉢を受け継いだのち、僧侶になったとの逸話で知られる。

慧能は南宗頓悟禅の祖とされ、同じく弘忍の弟子だった神秀(じんしゅう)は北宗漸悟禅とされた。北宗禅の二祖・普寂の弟子である道璿(どうせん)は、奈良時代に菩提僊那(ぼだいせんな)と共に来日、大安寺に禅院を創設して北宗禅の普及に努めた。

後に日本の天台僧・最澄が入唐して、天台教学・戒律・密教・禅を学んだが、その時に学んだ禅は北宗禅だった。

南宗禅・五家七宗(ごけ しちしゅう)

 

雲門宗 = 慧能 → 青原行思 → 石頭希遷 → 徳山宣鑑 → 雲門文偃(開祖) → 絶法。

法眼宗 = 慧能 → 青原行思→ 七代 → 清涼文益(開祖) → 絶法。

曹洞宗 = 慧能 → 青原行思→薬山惟儼→雲巌曇晟→洞山良价(開祖)→ 現存。

潙仰宗 = 慧能 → 南嶽 → 馬祖 → 百丈 → 潙山霊祐(開祖) → 臨済宗と同化。

臨済宗 = 慧能 → 南嶽 → 馬祖 → 百丈 → 黄檗 → 臨済(開祖) → 楊岐派と黄竜派に分派。

 

黄竜派 = 栄西禅師や真言僧の俊芿(しゅんじょう)が伝えるも、絶法。

楊岐派 = 日本に伝わり、主流となる。

 

・南嶽懐譲(なんがく かいじょう)

南嶽は六祖慧能(ろくそ えのう)の弟子。南嶽磨磚(なんがく ません)の公案や、説似一物即不中(似たような事は言えるが、それそのものは伝えられない)の逸話で知られる。

 

・馬祖道一(ばそ どういつ)

馬祖は南嶽懐譲(なんがく かいじょう)の弟子。平常心是道(びょうどうしん ぜどう)の逸話で知られる。平常是道(びょうどうぜどう)の公案に出てくる南泉普願(なんせん ふがん)は、馬祖の弟子。

趙州無字の公案で知られる趙州従諗(じょうしゅう じゅうしん)は南泉の弟子だが、黄檗希運(おうばく きうん)の元でも修行している。

 

・百丈懐海(ひゃくじょう えかい)

百丈は馬祖道一(ばそ どういつ)の弟子であり、百丈野狐(ひゃくじょう やこ)の公案で知られる。また、禅の規律書「百丈清規(古規)」の著者でもあり「一日作(な)さずんば一日食わず」の逸話でも有名。

 

・黄檗希運(おうばく きうん)

黄檗は百丈懐海(ひゃくじょう えかい)の弟子。中国臨済宗、黄檗山・黄檗寺の御開山。黄檗三打(おうばく さんだ)の逸話で知られる。因みに黄檗宗は、江戸時代に来日した中国臨済宗・楊岐派の法嗣、隠元隆琦(いんげん りゅうき)を開祖とする、日本独自の宗派である。

 

・臨済義玄(りんざい ぎげん)

臨済は黄檗希運(おうばく きうん)の弟子。臨済宗開祖。臨済将軍、臨済の喝で知られる。名言多数で、禅語録の王と言われるほど逸話が多い。

 

・楊岐方会(ようぎ ほうえ)

五家七宗・楊岐派の派祖。当時、衰退していた臨済宗を再興させた。日本に根付いた臨済禅は、楊岐派の禅である。

 

・五祖法演(ごそ ほうえん)

楊岐方会の孫弟子。五祖弘忍が居た黄梅山で活動していたので「五祖山の法演」という意味でそう呼ばれた。公案禅(看話禅)の大成者であり、倩女離魂(せいじょ りこん)牛過窓櫺(ぎゅうか そうれい)などの公案の作者として知られる。

 

・無門慧開(むもん えかい)

臨済宗・楊岐派の僧侶であり、有名な公案集・無門関の著者。

 

・松源崇岳(しょうげん すうがく)

楊岐派・松源系純粋禅を確立した事で知られる。弟子の無明慧性(むみょう えしょう)は、建長寺の御開山である蘭渓道隆(らんけい どうりゅう)の師。大応国師こと南浦紹明(なんぽ じょうみょう)は蘭渓の弟子。

 

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